インプラント治療の種類とそれぞれの治療の流れ

ここからは、インプラント治療の2つの方法とその流れを解説します。
それぞれで流れが違うため、インプラント治療をする際の参考にしてみてください。

治療方法①1回法

1回法は、手術が1回で済む方法です。
1回法では、インプラント体(人工歯根)とアバットメント(土台)が一体となっているものを使用します。

まず、歯を失った部分の歯ぐきを切開して骨に穴を開け、インプラント体とアバットメントが一体になっているものを埋め込みます。
アバットメント部分が歯ぐきから少し出ている状態で、インプラント体と骨が結合するまで待ってから、人工歯(被せ物)を被せて治療は完了です。

治療方法②2回法

2回法は、インプラント体とアバットメントを別々に使用して、手術を2回必要とする方法です。

まず1回目の手術では、歯を失った部分の歯ぐきを切開して骨に穴を開け、インプラント体のみを埋め込み、歯ぐきを縫合します。
インプラント体と骨が完全に結合するまで待ってから、2回目の手術で患部の歯ぐきを再び切開し、インプラント体にアバットメントを連結させます。
そのあと、アバットメントに人工歯を被せて治療は完了です。

インプラント治療で入院が必要となる例外ケース

一般的なインプラント手術では入院の必要はありませんが、例外として入院が必要なケースもあります。
以下に、入院が必要なケースをまとめました。

入院が必要なインプラント治療のケース

  • 入院が必要な事故や怪我をした場合
  • 重度の全身疾患がある場合
  • 全身麻酔の必要がある場合
  • 歯科恐怖症や手術の不安により心身の安静が必要な場合
  • 患部に大量出血の恐れがある場合

歯を失った原因が、入院をともなうような大きな事故や怪我の場合は、入院しての治療が必要になるでしょう。
また、一般的なインプラント治療では患部に局所麻酔をしますが、骨の移植を行う場合は全身麻酔をするため入院が必要なケースもあります。

インプラントの治療後に注意したいこと

インプラント手術では、局所麻酔をして歯ぐきを切開し、骨に穴を開けているため体に大きな負担がかかっています。
体の負担を軽減させるためにも、インプラントの手術後に気をつけたい点を5つ紹介します。

注意点①手術後1~2時間は食事を控える

インプラント手術後は、患部とその周辺の局所麻酔がしばらく残っています。
痛みを感じられない状態になっているので、食事によって口内を傷つけても気づけない場合があります。
そのため、麻酔の効果が切れるまでの手術後1~2時間は、食事を避けましょう。

また、手術後2~3日は患部が刺激に敏感になっているため、炭酸や辛い物は極力避けて柔らかいものを食べることをおすすめします。
【関連記事】
インプラントの手術後の食事で注意したほうがよいことはありますか?

注意点②激しい運動・長風呂・飲酒を控える

激しい運動・長風呂・飲酒などは、体内の血行をよくして患部の出血を促してしまう可能性があります。
特に飲酒は、手術後に服用する薬との相性もよくないため、インプラント手術後1週間ほどは控えましょう。

注意点③喫煙を控える

喫煙は、患部の回復を遅くさせます。
なぜなら、煙草に含まれるニコチンが、骨とインプラントの結合を邪魔するからです。

さらに、歯周病を引き起こしやすくなるなどのデメリットも多いため、インプラント治療をした方には、喫煙はおすすめできません。
禁煙が難しい場合でも、なるべく節煙をすることが望ましいです。
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喫煙者はインプラント治療できますか?

注意点④薬を正しく服用する

インプラント手術後は、歯科医師の指示通りに薬を服用しましょう。
薬を適切に服用することで、患部の痛みや腫れを軽減させることができます。

さらに、歯周病などの感染症の予防にも繋がります。

注意点⑤痛みが強い場合は手術した歯科医院に問い合わせる

患部に注意して過ごしていても、痛みが続いたり出血が続いたりする場合は、インプラントにトラブルが起きている可能性があります。
痛みや出血が続く場合は、できるだけ早くインプラント手術をした歯科医院へ相談しましょう。

インプラント手術では一般的に入院の必要はない

いかがでしたでしょうか。

インプラント手術には1回法と2回法の、2つの治療法があります。
いずれも手術には局所麻酔を使用するため、入院の必要はありません。

入院が必要なケースとしては、重度の全身疾患がある場合や大量出血の恐れがある場合などが挙げられます。
その場合は歯科医院で事前に相談をしましょう。

また、手術後は患部を刺激しないように食事に気をつけることや、血行がよくなることを避けるなどの注意が必要です。

きぬた歯科では、インプラント手術の前に患者様に合わせた検査や治療計画を提案しています。
インプラント治療に不安がある方も、まずはお気軽に当院へご相談ください。

インプラントの費用について気になる方はぜひ、「インプラントの費用の基礎知識と1本あたりの費用について」をご覧ください。

この記事の監修者

日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。

日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。

本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。

<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!

<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科

<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia