インプラント治療が失敗するとどうなる?
インプラント治療は失敗することもあります。
それでは失敗するとどのようになるのでしょうか?
3つのケースについて見ていきましょう。
ケース1:インプラントがすぐに脱落・破損する
インプラントが顎の骨にうまく結合されなかった場合、すぐに脱落したり、破損してしまったりすることがあります。
本来であれば部品が顎の骨と結合されて、しっかりと固定されるのがインプラントです。
しかし結合されないと、グラグラとしてしまい、抜け落ちたり、破損したりすることになります。
ケース2:インプラント周囲炎になる
インプラント周囲炎になってしまうのも失敗例のひとつです。
インプラント周囲炎は細菌感染により炎症が起きる合併症であり、症状が進行するとインプラントが脱落します。
もし手術中に細菌感染が起きてしまた場合、罹患のリスクが高まるでしょう。
歯科医院の衛生管理が万全でなければ、インプラント周囲炎になって、脱落を招くこともありえます。
ケース3:手術後の痛みや腫れが続く
手術後の痛みや腫れが続くケースもあります。
あまりに長引くなら、インプラントを埋入した場所が不適切であったり、細菌感染が起きたりしているかもしれません。
通常であれば術後の痛みや腫れは、2~3日がピークで、1週間程度で治まります。
2週間以上痛みや腫れが気になるなら、できる限り早めに歯科医院を受診してください。
インプラント治療が失敗する原因
インプラント治療の失敗例についてご紹介しました。
それではなぜ、治療に失敗が起きてしまうのでしょうか?
考えられる3つの原因について解説します。
原因1:医師の技術や知識が不足している
まずは医師の技術力や知識が不足していることによる失敗についてです。
インプラント治療の失敗は、基本的に医師の技術力や歯科医院に備わっている設備、治療後のメンテナンスにより引き起こされます。
インプラントを正しく埋入するには知識と技術力が必要です。
埋入する場所、角度、深さと、さまざまなことを考慮しなければなりません。
しかし未熟な医師の場合、間違ったところに埋入してしまうこともあり得るでしょう。
するとインプラントの脱落や破損が起こりやすくなるため、実績豊富な医師を選ぶことは失敗を防ぐための重要なポイントです。
原因2:衛生管理が徹底されていない
インプラント周囲炎のリスクを高めるのが、歯科医院の衛生管理が不十分であることです。
治療では歯茎を切開して顎の骨に穴を開けるという、外科的手術が含まれます。
そこで衛生管理が徹底されていないと、傷口から細菌感染が起こりかねません。
そのためインプラントを得意としている歯科医院では、衛生管理の徹底が基本とされています。
失敗しないインプラント治療を受けるには、衛生管理に気を配っている歯科医院を選ぶことが大切でしょう。
原因3:適切な治療計画が立てられていない
最初に適切な治療計画が立てられていないことも、失敗の原因のひとつとなります。
インプラント治療において治療計画は重要なものです。
どのような目的で治療を行うのか、口腔内の状況から顎の骨の状態まで含めて考え、実際の治療を行っていきます。
しかし治療計画にはやはり、医師の知識や実績が問われることも確かです。
経験の浅い医師であれば、適切な治療計画が立てられないかもしれません。
医師や歯科医院の質により、治療計画が不適切になってしまうこともあるため注意してください。
インプラント治療で失敗しないクリニックの選び方
インプラントの失敗には、医師や歯科医院の技術力・実績が関わっていると解説しました。
つまり失敗を防ぐには、クリニック選びが重要です。
それではインプラント治療で失敗しないためには、どのようにクリニックを選べばよいのでしょうか?
選び方のコツについて4つの観点から見ていきましょう。
選び方1:インプラント治療の実績を確認する
まずは歯科医院ごとの、インプラント治療の実績を確認しましょう。
実績が豊富な歯科医院であれば、さまざまな症例に対応した経験があるはずです。
経験した症例数が豊富であれば、難しい症例でも治療が行えますし、技術力や知識も備わっているでしょう。
インプラント治療に対応している歯科医院では、ほとんどの場合、公式サイトに実績が掲載されているものです。
あらかじめ確認し、実績が確かであるところを選べば失敗しにくくなります。
選び方2:衛生管理がしっかり行われているか確認する
次に確認したいポイントは、衛生管理がしっかりと行われているかどうかです。
衛生管理はインプラント周囲炎を防ぐために欠かせないこと。
次のような対策が行われていれば安心でしょう。
【チェックポイント】
- オートクレープを使用した滅菌を行っている
- 空気浄化設備が設置されている
- 治療に用いられるものは使い捨てである
- 個別の手術室・治療室が備わっている
インプラント治療で安全性に配慮している歯科医院であれば、上記の4つのポイントが満たされているはずです。
治療の契約をする前に、衛生管理について入念にチェックすればインプラント治療の失敗を防ぎやすくなります。
選び方3:治療に必要な設備が整っているか確認する
衛生管理とともに確認しておきたいのが、治療のために必要な設備が整っているかどうかです。
インプラント治療の成功のためには、治療前の検査が重要となります。
検査で口腔内や顎の骨の状態を確認し、治療を行っても問題がないことを確認しなければ失敗しやすくなるためです。
そこでぜひ確認したいのが、歯科CTが設置されているかどうかです。
インプラント治療を正確に行うためには、歯科CTは欠かせない存在と言えます。
顎の骨の量や形を把握するためには、CT検査を行わなければならず、確認されていなければ埋入位置を間違ってしまうこともあります。
クリニック選びの際には、インプラント治療のための設備の充実度をはかることも欠かせません。
選び方4:カウンセリングは十分か確認する
最後のポイントは、カウンセリングが十分であるかどうかです。
カウンセリングは患者様のインプラント治療への希望を確認する場面。
そして口腔内や全身の状況を考慮し、治療費や治療計画を提示する、これからの治療の要ともなるところです。
カウンセリングが丁寧な歯科医院であれば、患者様1人1人に合った、適切な治療を行うと考えられます。
しかしもし、患者様の質問に答えてくれなかったり、不十分だと感じたりした場合は、治療に失敗する可能性が高いかもしれません。
インプラント治療を行っている歯科医院では、ほとんどの場合で無料のカウンセリングを受けられます。
さまざまな医院のカウンセリングを受けて、カウンセリングがより充実しているところを選ぶのも良い選び方でしょう。
インプラント治療を受ける前に知っておきたい注意点
インプラント治療の失敗を避けるには、あらかじめ次のようなポイントに注意してください。
【注意点】
- 細菌感染の可能性がある
- 神経損傷や上顎洞炎になることがある
- 出血や痛みが強いことがある
- 器材の誤飲の可能性がある
- 骨火傷が起きることがある
- 治療を受けられない場合もある
先に解説したように、細菌感染の可能性があるだけでなく、神経を損傷したり、上顎洞炎になることもあります。
また場合によっては出血や痛みが長く続いたり、手術の際の器材やインプラントを飲み込んでしまうことも。
そしてインプラント治療に失敗する原因のひとつである「骨火傷」のリスクについても知っておいてください。
骨やけどは顎の骨がとても硬い場合に起こり、インプラントの定着に支障をきたすことがあります。
また糖尿病や骨粗鬆症など、身体の状態によって治療が受けられないかもしれません。
インプラントは審美性・安全性・機能性に優れた治療法です。
しかしご紹介したようなリスクがあることも知った上で、治療を受けるべきかどうか検討することが大切です。
インプラント治療で失敗したと感じたときの相談先
もし「インプラント治療で失敗した」と思われた場合は、次のようなところに相談してください。
【相談先】
- 治療を受けた歯科医院
- その他の歯科医院
- 日本歯科医師会
- 国民生活センター
- 弁護士事務所
まずは治療を受けた歯科医院に相談するべきです。
しかし話が進まないならその他の歯科医院にてセカンドオピニオンを受けたり、日本歯科医師会に相談したりしましょう。
国民生活センターは第三者に問題解決の橋渡しを頼みたいときに重宝します。
どの方法でも解決せず、納得できないなら弁護士事務所にて訴訟を起こす相談をするのもひとつの方法です。
状況ごとに相談する場所は変わります。
あなたの状況によって、最も適していると思われる相談先を見つけてください。
インプラントの失敗を防ぐにはクリニック選びが重要
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、インプラントの失敗例と予防方法についてご理解いただけたと思います。
インプラント治療では失敗が起こることがあります。
しかし失敗する原因を知っておくこと、クリニックを慎重に選ぶことによってある程度予防できるはずです。
きぬた歯科はインプラント治療において、累計40,000本超の埋入実績を持ちます。
年間3,000本の治療を行っていますので、インプラント治療の失敗を避けたいと思われるなら、ぜひ一度カウンセリングへとお越しください。
きぬた歯科ではウイルス・感染への対策を万全にしており、インプラント周囲炎のリスクを最小限に減らしています。
施術時間の短さにより術後の回復が早いことも強みですので、痛みへの不安がある方も、ぜひきぬた歯科までご相談ください。
この記事の監修者
日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。
日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。
本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。
<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!
<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科
<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia