目次
骨造成とは
骨造成とは、身体のなかにある骨の厚みを増やすために行う手術のことです。
特にインプラント治療においては、あごの骨の厚みを増やす手術をさします。
骨造成の方法には3つの種類があり、それぞれ適用される条件が異なります。
インプラント治療で行われる骨造成の方法
- ソケットリフト:上あごの骨の厚みが6mm以上で、尚且つ足りない場合に行う
- サイナスリフト:上あごの骨の厚みが5mm以下で、尚且つ足りない場合に行う
- GBR法:下あごの骨の幅や厚みが足りない場合に行う
骨造成が必要な理由
インプラント治療では、「インプラント体」と呼ばれる人工的な歯根となる部品をあごの骨に埋め込みます。
このとき、あごの骨に一定の厚みがなければ、埋め込んだインプラント体が骨から飛び出てしまうことや、きちんと安定しないということが起きてしまうのです。
しかし、インプラント治療を受けたいものの、あごの骨の厚みが足りないという患者様もなかにはいらっしゃいます。
そのような患者様でもインプラント治療を受けられる状態にするために、骨造成を行って、あごの骨の厚みを増やす必要があるというわけです。
そのため、インプラント治療を受けようとお考えのすべての患者様が骨造成を行う必要があるというわけではありません。
あくまでも、医師から「あごの骨の厚みが足りない」と判断された患者様のみになります。
骨造成のメリットとは
骨造成を行うことによる、具体的な2つのメリットを紹介します。
メリット①あごの骨が薄い場合でもインプラント治療を受けられる
あごの骨が薄い方でも、骨造成によって骨を厚くしインプラント治療を受けられることは、骨造成を行う目的であると同時に最大のメリットです。
当院きぬた歯科では、骨の厚みが原因で他院ではインプラント治療をお断りされてしまった方でも、骨造成により治療ができたという実績がございます。
メリット②歯の見た目が美しく改善される可能性がある
歯茎が下がって、見た目のバランスが悪くなってしまっている場合、骨造成を行うことで見た目が改善される可能性があるという副次的なメリットもあります。
これは、歯茎が下がってしまっている原因が実は骨にあるためです。
あごの骨がやせると、同時に歯茎が下がり、歯と歯茎のバランスが悪くなることによって見た目に影響が出ます。
そこで、骨造成を行い、やせた骨に一定のボリュームを持たせられるようになると、下がった歯茎の位置が戻り、見た目が改善されるというわけです。
骨造成のデメリットとは
骨造成には魅力的なメリットがありますが、同時にデメリットもあります。
メリットとデメリットをそれぞれ確認し、骨造成を行うべきかどうかご検討ください。
デメリット①インプラントの治療期間が長くなる
インプラント治療を行うにあたり、あごの骨に十分な厚みのある方は骨造成を行う必要はありません。
そのため、インプラント治療に加えて骨造成を行う場合は、通常の場合と比べてやや治療期間が長くなってしまうという点はデメリットだといえるでしょう。
骨造成を行わない場合は、あごの骨にインプラント体を埋め込んで、その後インプラント体が安定したら人工歯を取り付けて、歯が使えるようになります。
インプラント体の安定には個人差がありますが、目安は早くて2~3か月程度です。
しかし、ソケットリフトやGBR法で骨造成を行う場合は、増やした骨とインプラント体が結合する必要があるため4~6か月ほど待つ必要があります。
また、サイナスリフトを行う場合は、骨造成とインプラント手術を同時に行うことができないため、より期間がかかります。
骨造成だけを行って、3~6か月ほど安静にして骨が作られるのを待ち、その後十分な骨の厚みが確認できたらインプラント治療を行うという流れです。
デメリット②体質によっては骨造成が適さない場合がある
日常的に喫煙をされる方や、基礎疾患をお持ちの方は、骨造成を行ってもなかなか骨が増えないという可能性があります。
そのような場合はインプラント治療が行えず、入れ歯やブリッジなど、ほかの治療法で代用する可能性があるという点もデメリットといえるでしょう。
骨造成の流れ
最後に、骨造成の流れをそれぞれの術法ごとに紹介します。
ソケットリフト
ソケットリフトの治療の流れ
- あごの骨に穴をあける
- 穴に骨補填材(骨を作る材料)を入れる
- 穴にインプラント体を埋め込む
- 4~5か月後、インプラント体に人工歯を取り付ける
ソケットリフトは、増やす骨の量が比較的少ない場合に行う手術のため、基本的にはインプラント手術と同時に行います。
サイナスリフト
サイナスリフトの治療の流れ
- ほほ側の歯肉を切開する
- 切開した部分から露出した骨に穴をあける
- 穴に骨補填材(骨を作る材料)を入れる
- 骨と歯肉をふさぐ
- 3~6か月後、骨が増えたことが確認できたら通常のインプラント治療を行う
サイナスリフトは、ソケットリフトを行う場合よりも骨を多く増やす必要があるときに行う手術です。
そのため、インプラント手術と同時に行うことはできません。
また、インプラントを埋め込む穴とは別で、骨補填材を入れるための穴をあける必要があるため、サイナスリフトよりも比較的大掛かりな手術となります。
GBR法
GBR法の治療の流れ
- 骨造成のもととなる自家骨をあごから採取する
- あごの骨に穴をあける
- 穴にインプラント体を埋め込む
- 骨が足りない部分に自家骨を入れる
- 自家骨を保護剤で覆う
- 4~6か月後、インプラント体に人工歯を取り付ける
GBR法では、ソケットリフトやサイナスリフトのように骨補填材を使うこともできますが、ご自身の骨の一部(自家骨)を用いることもできます。
自家骨を使う場合は、下あごの先端もしくは下の奥歯の外側の骨から採取するという方法が一般的です。
また、GBR法の場合はインプラント手術と同じ日に行うことが可能です。
骨造成を行えば、あごの骨が薄い方でもインプラント治療が可能に
今回は、インプラント治療で耳にすることのある「骨造成」について解説しました。
骨造成とは、あごの骨の厚みを増やす手術のことです。
ソケットリフトとサイナスリフト、そしてGBR法の3種類があり、上下どちらのあごになるのか、そしてどの程度の厚みが必要なのかによって適切な術法が異なります。
あごの骨の厚みが足りず、他院でインプラント治療を断られてしまったという方でも、骨造成を行えばインプラント治療を行える可能性があります。
インプラント治療をご検討中の方は、きぬた歯科までご相談ください。
骨造成も行っておりますので、あごの骨が薄い方でも治療が可能です。