インプラント治療とブリッジ治療の特徴を比較

ここからは、インプラント治療とブリッジ治療の特徴を解説します。
それぞれの特徴を比較し、自分に合っている方法を見つけましょう。

インプラント治療

インプラント治療とは、歯が抜けた部分にインプラントとよばれる、人工的な歯を埋め込んで、歯として使えるようにする治療のことです。
なお、インプラントには「人工歯」にくわえ、あごの骨に埋め込む部品である「インプラント体」や人工歯とインプラント体の連結金具である「アバットメント」を含みます。

インプラント治療は、歯が抜けた部分に人工的な歯を埋め込む方法なので、健康な歯を削る必要はありません。
ただし、インプラントを埋める部分の歯肉を切開し、あごの骨にドリルで穴をあける必要があります。
そのため、ブリッジ治療と比較すると、治療における身体への一時的な負担はやや大きいといえます。

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ブリッジ治療

ブリッジ治療とは、歯が抜けた部分の前後の歯を土台として使い、前後の歯に橋渡しのように被せ物を取り付け、欠損した歯を補う治療のことです。
つまり、3本の歯を一体とするため、歯が抜けた部分に人工歯を埋め込むのではなく、前後の歯を支柱として、人工歯を安定させるという仕組みです。

ブリッジ治療はインプラント治療とは異なり、安定した土台を作るために歯が抜けた部分の前後の歯を削らなければなりません。
そのため、前後の歯が健康な歯である場合、その歯を削ることで負担がかかってしまいます。
ただ、ブリッジ治療はインプラント治療と比較すると簡単に行えるため、治療期間が短いという特徴もあります。

インプラント治療とブリッジ治療を比較

インプラント治療とブリッジ治療には、さまざまな違いがあります。
ここからは、それぞれの治療方法を5つの項目で比較します。

比較①治療ができる基準

インプラント治療とブリッジ治療では、治療ができる基準が異なります。

インプラント治療を行うためには、インプラントを埋め込む部分のあごの骨に十分な厚みがなくてはなりません。
理想的な骨の厚みは10mm以上で、薄くても5mm以上ある必要があり、これよりも薄い場合はインプラント治療を行うことが難しいです。

もし、骨の厚みが足りない状態でインプラント治療を望む場合は、インプラント治療とは別で骨造成治療とよばれる、あごの骨の厚みを増やす治療を行う必要があります。

一方で、ブリッジ治療を行う際は、あごの骨の厚みは関係ありません。
しかし、欠損した歯の前後に健康な歯があることが重要です。
もし、前後の歯も欠損している場合は、被せ物を取り付けることができないため、治療自体が難しくなってしまいます。

比較②外科処置の有無

インプラント治療とブリッジ治療では、外科処置の有無にも違いがあります。
インプラント治療では歯肉を切開し、さらにあごの骨に穴を開けるといった外科処置が必要です。

一方でブリッジ治療は、被せ物を取り付けるために前後の歯を削る必要はあるものの、インプラント治療で行うような外科処置はありません。
そのため、外科処置に抵抗がある方にとっては、ブリッジ治療のほうが安心して受けられるといえます。

比較③治療期間

インプラント治療とブリッジ治療は、治療期間も異なります。

インプラント治療を行った場合は、インプラントが骨に定着するまでに、上あごで3~6か月程度、下あごで2~4か月程度かかります。
また、インプラント治療を行う前に歯周病や虫歯などの異常が見つかった際は、その治療が終わってからインプラント治療を行うことがあるため、さらに期間が延びるでしょう。
インプラント治療の流れについて

ブリッジ治療はインプラント治療よりも治療期間が短く、2週間~1か月程度で終わるケースがほとんどです。
抜けた歯の前後の歯の状態によって、被せ物を被せるまでに少し長い期間がかかる場合もありますが、基本的には1か月あれば治療が完了します。

比較④治療にかかる費用

インプラント治療は保険適用外であるため、治療にかかる費用が比較的高く、ブリッジ治療は保険を適用できるため費用を安く抑えられます。
インプラントの治療費用について

抜けた歯を1本補うためにインプラント治療を行った場合、治療費の目安は約40万円です。
そして、ブリッジ治療を行った場合の治療費は約2万円と、インプラント治療と比べて非常に安いです。

比較⑤平均寿命

インプラント治療とブリッジ治療を比較すると、インプラント治療のほうが治療後の寿命が長いです。

インプラント治療を行ってから10~15年経過しても、インプラントが取れずに問題なく使用できる確率は、約90%です。
そして、ブリッジ治療を行った場合の寿命は約10年といわれており、治療後10年経っても問題なく使用できる確率は約50~70%とされています。
インプラントの寿命について

インプラント治療は、あごの骨にインプラント体を埋め込むことで土台が安定するため、長いあいだ使用していても取れてしまう可能性が低いです。

一方、ブリッジ治療で使用する被せ物には歯垢が溜まりやすいため、歯周病や虫歯になることがあり、安定した土台を保つことが難しくなってしまいます。
そのため、インプラント治療と比較して寿命が短いのです。

インプラント治療とブリッジ治療をよく比較したうえで選ぼう

いかがでしたでしょうか?

インプラント治療とブリッジ治療はそれぞれ特徴が異なります。

そのほかにも、インプラント治療とブリッジ治療では治療期間や治療費用、平均寿命なども異なるので、両者を比較したうえで自分に合った治療方法を選びましょう。

歯が抜けてしまった場合の治療方法にお悩みの方は、ぜひきぬた歯科までご相談ください。
インプラント治療における技術や経験は、国内でも最高水準であると自負しているため、どんな疑問にもお答えします。

この記事の監修者

日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。

日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。

本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。

<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!

<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科

<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia