インプラント治療とは?

インプラント治療とは、永久歯を失った箇所に人工歯根を埋め込んで、歯の機能を補う歯科医療のことです。
人工歯であることを忘れるくらい自然で審美性が高いため、自信のある笑顔を取り戻せます。

また、噛む力の強さは天然歯と同等で、発音にも影響を与えないことから、今まで通り食事や会話も楽しめます。

さらに、インプラント治療は部分入れ歯やブリッジのように、バネかけや健康な歯を削る必要がありません。
健康な歯への負担を最小限に抑えられ、手入れしやすいのもインプラント治療ならではの魅力です。

インプラント治療の概要については「インプラントとは?メリット・デメリットや他の治療との違い」をご覧ください。

インプラントの治療中や治療後の痛みについて

インプラント治療は、麻酔を用いる外科手術ですので、治療中や治療後の痛みは気になりますよね。
治療を検討していても「耐えられないほど痛いの?」「痛すぎるのは怖い」と、なかなか一歩を踏み出せないかもしれません。

ここからは、インプラント治療の痛みについて詳しく解説していきます。

インプラント手術の痛みについては「インプラント手術で痛みを感じることはありますか?」をご覧ください。

治療中

まず、インプラント治療中は「局所麻酔」を使用するため、痛みをほとんど感じません。

ただし、体質や極度の緊張などで麻酔が効きづらい場合があります。
そのようなときは、リラックスした状態で治療を受けられるように、鎮静剤を用いて緊張や恐怖心を和らげる「静脈内鎮静法」もおすすめしています。

きぬた歯科でも、局所麻酔のほかに、静脈内鎮静法を併用して治療を受けていただけますので、痛みが不安な方はご相談ください。

治療後

インプラント治療後は、個人差はあるものの、痛みが出やすい傾向にあります。
特に痛みを感じやすいのは、麻酔が切れたあとや抜糸の際です。

インプラント治療は、歯茎を切開して顎の骨に穴を開けるため麻酔が切れれば、それ相応の痛みや腫れをともないます。
また、治療から1週間後に行う抜糸の際にもわずかな痛みを感じるかもしれません。

しかし、これらの痛みは鎮痛薬を服用すれば楽になりますので、安心してくださいね。
痛み自体も、治療後2~3日程度で落ち着いてきます。

インプラント治療後は、歯周病と同じような症状を起こす「インプラント周囲炎」にも注意が必要です。
磨き残しによって人工歯に歯垢が蓄積すると細菌が増殖し、その細菌が出す毒素が原因で、インプラント周辺の歯茎が炎症を起こしてしまいます。

痛みや腫れを悪化させないように、日々のブラッシングや定期的なメンテナンスをおろそかにせず、出血や膿が見られたらすぐ主治医に相談することが重要です。

インプラント治療後のセルフケアについては「インプラント治療後もフロスはしたほうがよいのでしょうか?」をご覧ください。

インプラント治療中の痛みを軽減させる方法

インプラント治療中は局所麻酔を施していても、必ずしも無痛とは限りません。
治療方法や治療する歯科医院によっては、痛みを感じやすくなってしまう可能性もあります。

ここからは、インプラント治療中の痛みを軽減させるためのポイントを4つ紹介していきます。

技術や知識が豊富な歯科医院を選ぶ

インプラント治療を受ける際は、治療の技術や知識が豊富な歯科医院を選びましょう。
そのなかでも、短時間かつ丁寧に治療してくれる歯科医院がおすすめです。

インプラント治療は外科手術なので、経験豊富なインプラント専門医でなければ治療に手間取ってしまい、痛みにつながる可能性があります。
そのため、治療の症例数や口コミも確認して、インプラントに精通した技術力の高い歯科医師が所属しているかどうかを見極めるのがポイントです。

ご自身が信頼できる歯科医師の元で治療できるように、焦らず歯科医院を探してみてください。

痛みが少ないインプラント治療を受ける

インプラントには痛みが少ないとされる治療法もあるため、そちらを選ぶのも治療中の痛みを軽減させるのに有効です。

その治療法の一つが、抜歯したあとすぐに人工歯根を埋め込む「抜歯即時インプラント」です。
即日治療が完了するのが特徴で、治療による負担を軽減するだけではなく、歯がない期間を最短に抑えられることで、精神的な負担緩和も期待できます。

ただし、すでに抜歯済みの箇所には適応していません。

このような痛みが少ない治療が可能かどうかを歯科医師に相談し、治療方法を決定してもよいでしょう。

歯茎の切開を最小限に抑えてもらう

「フラップレスインプラント」という歯茎の切開を最小限に抑えた治療を受けるのも、インプラント治療中の痛みを軽減するポイントの一つです。

通常のインプラント治療は顎の骨が見える位置まで、歯茎の切開が必要ですが、歯茎を大きく切開するほど痛みをともないます。
その点、フラップレスインプラントは、歯茎の切開範囲を最小限に抑えてインプラントを埋め込むため、治療中の出血を少なくできるうえに、治療後の痛みも緩和できます。

また、治療の際は、サージカルガイドというインプラントの埋入箇所を示した装置を用いることで、ほかの箇所を傷つけるリスクを減らすことも可能です。

日頃から口内ケアを徹底する

インプラント治療をなるべく短時間で痛みなく済ませたいなら、日頃から口内を清潔に保つことも大切です。

虫歯や歯周病がある患者様は、それらを治療してからインプラント治療にとりかかる必要があります。
その理由として、虫歯や歯周病があると細菌感染のリスクが高まり、新たな口内トラブルを引き起こしてしまうことが挙げられます。

口内ケアが行き届いていないと、インプラントを埋め込む箇所に悪影響を及ぼしてしまうので、治療中の痛みにつながるかもしれません。

そのため、虫歯や歯周病を放置したり、抜歯後の患部のケアを怠ったりせず、口内を衛生的に保つように心がけましょう。

インプラント治療後の痛みを和らげるポイント

インプラント治療後の痛みを和らげるには、ご自身でもできることがあります。

ここでは、治療後の痛みを緩和させる4つのポイントを紹介します。
インプラント治療を前向きに考えるきっかけとしても、ぜひお役立てください。

ポイント①柔らかい食べ物を食べる

インプラント治療後、数日間は柔らかいものを中心に、身体に優しい食事を心がけてくださいね。

まだ傷口が塞がりきっていない状態なので、固いものを食べると縫い目が開きやすくなってしまいます。

また、身体が温まって血流が良くなると傷口から出血した際に、血が止まりにくくなってしまうため、中華料理や鍋のような刺激物や熱い食べ物は控えたほうが無難です。
治療を受けてからの数日間は、おかゆやゼリー、麺類など柔らかく、身体にも優しい食事をおすすめします。

ポイント②患部を刺激しない

インプラント治療のあとは、傷口が気になって触りたくなるかもしれませんが、患部を指や舌などで刺激してはなりません。
それは、患部をさらに傷つけ、回復まで時間がかかるおそれがあるためです。

食事の際は治療していないほうの歯で噛み、患部に負荷をかけないことが大切です。
また、歯磨きは、なるべくインプラントの歯を避け、傷口に染みないように、歯磨き粉や洗口液の使用も控えることをおすすめします。

ただし、インプラントの歯以外の箇所は通常通りブラッシングを行い、虫歯や歯周病にならないように気をつけましょう。

ポイント③喫煙を控える

喫煙は、インプラント周囲炎のリスクを高めるほか、患部の治りを悪くさせるおそれがあります。

タバコに含まれる成分が白血球のはたらきを低下させてしまい、感染症にかかる確率が上がります。
さらに、血行不良でスムーズに酸素や栄養が行き届かなくなることで、骨が弱り、インプラントが抜け落ちるケースもあるので注意が必要です。

炎症による痛みや、治療後のトラブルを避けるためにも、喫煙は控えましょう。

ポイント④口内環境を整える

インプラント治療後の痛みを和らげるためにも、常に口内環境は良い状態にしておきたいものです。
なぜなら、口内環境が悪いと、傷口から細菌が入り込んで炎症を引き起こしやすくなるからです。
そのため、歯磨きだけではなく歯間や舌などの細かいところまでケアして、清潔に保っておけばインプラント周囲炎は起こりにくくなります。

また、病院でのメンテナンスも怠らずに受けましょう。
メンテナンスでは、年に3~4回程度を目安に、噛み合わせの異常やパーツ不良がないかどうかを確認します。

インプラントを長持ちさせるためには、メンテナンスを行い、インプラント周囲炎のような炎症を防ぐことが不可欠です。

インプラント治療後に痛みが出た際の対処法

ご自身で痛みを緩和させる方法はわかりましたが、実際に痛みが出たらどうすればよいのでしょうか。

ここからは、インプラント治療後に痛みが出たときに行うべき3つの対処法を紹介していきます。

対処法①痛み止めを飲む

治療による痛みは、痛み止めや抗生物質などの処方薬で抑えられることがほとんどですので、忘れずに服用してください。
その際、服用方法を守らないと、かえって痛みや腫れなどを引き起こしてしまうため、抗生物質は指示通りに飲み切ることが大切です。

しかし、痛み止めが効かないほどの強い痛みや、服用後の体調不良が起きた場合は、薬が合っていないことが考えられます。
そのようなときは、治療を受けた歯科医院からの指示を仰ぎましょう。

対処法②患部を冷やす

治療後に痛みが起きたら、患部を冷やすのも対処法の一つとして挙げられます。

患部を冷やす際の注意点は、氷や保冷剤を直接頬に当てないことです。
それは、直接冷やし過ぎてしまうと、インプラントが骨に結合しにくくなるほか、かえって強い痛みが出る可能性があるからです。

そのため氷や保冷剤をタオルで包んだり、濡れタオルを使用したりと、冷たくしすぎない方法で患部を冷やすとよいでしょう。

また、治療後48時間を経過しても痛みや腫れが引かない場合は、冷やしても効果が期待できないため、一度冷やすのを中断してくださいね。

対処法③治療を担当した主治医に相談する

痛み止めを服用したり、患部を冷やしたりしても痛みが治まらない場合は、治療を担当した主治医に相談してください。
インプラント治療のあと、1週間経っても症状が続くときは、何らかの異常が起きていると考えられます。

また、治療後の鼻血や唇のしびれなどの症状も、インプラント埋入によるトラブルかもしれません。
神経組織に問題が起きれば、ほかの病気につながりかねないので、治療後に違和感が続くようであれば、我慢せず早めに主治医に相談しましょう。

インプラントとは

インプラント治療後は痛みを感じることもあるので、セルフケアや食事を意識しましょう

いかがでしたでしょうか。

インプラント治療中は、麻酔のおかげで痛みはほとんどありません。
しかし、インプラント治療後は、麻酔が切れたあとや抜糸の際に痛みを感じやすいので、評判の良い歯科医師や痛みが少ない治療方法を選びたいところです。
治療後の痛みを和らげるためには、痛み止めを服用するほか、食事やセルフケアなども心がけるとよいでしょう。

きぬた歯科には、年間、約3,000本ものインプラント治療実績があります。
短時間かつ正確に治療を行い、痛みや腫れを抑えられるのが特長です。
また、患者様のご予算を踏まえて治療計画を提案し、費用を抑えた治療も可能です。
インプラント治療を考えている方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。

日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。

本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。

<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!

<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科

<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia