セカンドオピニオンとは

インプラント治療の説明には専門的な内容も登場するので、主治医の話を聞いてもピンとこないという方もおられるでしょう。
そういった際に、ほかの歯科医師からの診断を仰ぐのが、セカンドオピニオンという制度です。

インプラント治療は、口腔内というデリケートな部分に関わる治療なので、不明点や納得できない点が少しでもあれば遠慮なくセカンドオピニオンを受診してください 。

インプラントとは?メリット・デメリットや他の治療との違い

インプラント治療でセカンドオピニオンを受けるメリット

セカンドオピニオンには4つのメリットがあります。
それぞれ詳しく解説するので、受診を迷っている方は参考にしてみてください。

メリット①主治医の診断が正しいのかを確認できる

インプラント治療の方針は、歯科医師によって大きく変化します。
よくあるケースでは「クリニックAでは抜歯するよう言われたけれど、クリニックBでは抜歯しなくても治療できると言われた」というようなことなどです。

そのため、ほかの歯科医師の意見を聞いて、主治医の診断が適当かどうかを確かめるのがセカンドオピニオンの本来の意味になります。
セカンドオピニオンの診断結果が初診と同じであれば、主治医に対する信頼感が強まるでしょう。

メリット②費用の比較ができる

ほかのクリニックでの治療費を知り、インプラント治療の費用相場を把握できます。

費用の相場を知っていれば、不当に高い治療費の請求を避けられるだけではなく、安全性を欠いた格安のインプラント治療にも疑問を抱けるようになるでしょう。
セカンドオピニオンで費用を尋ねる際は、内訳もあわせて聞いておくと、価格の違いがなぜ生じるのかを理解できて納得感が上がります。

メリット③治療に使用する機器を比較できる

インプラント治療は外科手術を要するので、事故を未然に防ぐうえでも、高性能な医療機器が欠かせません。
たとえば、歯科用CTという機器があれば、患者様のあごの骨や血管の状態を正確に把握してから手術できるので、治療の安全性が上がります。

こうした高度な医療機器がどの程度そろっているのかを比較できるのも、セカンドオピニオンを受けるメリットの1つです。

メリット④選べる治療方法の幅が広がる

インプラント治療においては、歯科クリニックごとに多様な治療方法が提案されます。

たとえば、あごの骨の厚みが足りず、そのままの状態ではインプラントの手術ができないというケースがあったとします。
その際に、主治医には治療を断られても、セカンドオピニオンのクリニックでは、あごの骨を補う「骨造成治療」を提案してもらえるかもしれません。

骨を造成するにもいくつかのやり方があり、どの治療方法を選択するかで治療期間や費用に違いが生じます。
複数の歯科医師の意見を聞いて選択肢を増やし、最適だと思う歯科クリニックと治療方法を見つけましょう。

セカンドオピニオン受診時の手順

セカンドオピニオンは、以下の手順で受診するとスムーズです。

セカンドオピニオンの受診の手順

  1. 主治医の提案する治療方針を理解する
  2. セカンドオピニオンを受ける歯科クリニックを決める
  3. セカンドオピニオンに必要な資料を主治医にもらう

主治医の意見を把握しておかないと、セカンドオピニオンとの比較もできないので、まずは主治医の治療方針への理解を深める必要があります。
なぜその治療方法を選んだのか、またどの程度の費用と時間かかるのかといった点を確認し、できる限り不明点をなくします。

セカンドオピニオンを受ける場合、日本口腔インプラント学会が認定した専門医が在籍している、あるいは治療件数や症例数が多い歯科クリニックを選ぶとよいでしょう。
取り扱ってきた症例が多いクリニックほど、患者様に合わせた治療方法を提案できます。

クリニックが決まったら、主治医にセカンドオピニオンを受けに行く旨を伝えて、レントゲン写真や紹介状などの資料をもらいます。
資料があったほうがスムーズにセカンドオピニオンが進むうえに、改めて検査を受ける手間や費用も省けるのでお得です。

「主治医にセカンドオピニオンを受けると言うのは失礼じゃないか」と心配する方もおられるかもしれませんが、患者様の当然の権利なので遠慮する必要はありません。

セカンドオピニオン受診時の3つの注意点

セカンドオピニオン受診時の注意点は、以下の3点です。

注意点①データを用いて伝える

主治医の説明を口頭で伝えるだけだと、情報に漏れや誤りが生じる可能性があります。
事前にレントゲン写真や検査データなどを用意したうえで、正確に情報を伝えてください。

注意点②相談に費用がかかるかを確認する

歯科クリニックによっては、有料でセカンドオピニオンを受け付けています。
受診料の相場は5千~2万円と幅が広いので、予約前にクリニックの料金表を確認しておくと、セカンドオピニオンの相談にかかる費用を想定できます。

無料で受け付けているところもありますが、検査データを持参しない場合は、別途検査費用が発生するので注意してください。

注意点③不明な点をまとめておく

セカンドオピニオンの時間は、多くのクリニックで45~60分と決められています。

質問内容をまとめておかないと、聞きたい事柄を聞けずに診察が終わってしまうかもしれません。
不明点をメモして、質問に備えておきましょう。

インプラント治療を受ける際の歯科クリニックの選び方をより詳しく知りたい方は「インプラントの専門医の選び方を教えてください」をあわせてご覧ください。

優良なクリニック・歯科医師を選ぶ際の4つのポイント

ここからは、優秀な歯科クリニックや歯科医師を選ぶためのポイントを4つ紹介します。

ポイント①経験が長い歯科医師が在籍しているか確認する

インプラント治療の経験が長い歯科医師ほど、さまざまな症例に対応しているので、技術力に期待ができます。
実績や対応した症例は、クリニックの公式HPで確認可能です。

ポイント②口コミを確認する

患者様のリアルな声が集まる口コミには、治療の技術だけでなく、歯科医師の態度に関する評価も多く書かれています。
インプラント治療は長期間にわたるので、口コミを参考に、付き合いやすい歯科医師を選ぶのも大切です。

ポイント③治療用の機器がそろっているか確認する

前述のように、インプラント治療には、専門的な医療機器や設備が欠かせません。

歯科用CTや無菌手術室など、高度な設備がある場合は、歯科クリニックが公式HPに情報を公開しているので確認してみてください。

ポイント④適切な費用かどうか確認する

インプラント治療には、一本あたり30万~40万円の費用がかかるとされています。

インプラントの材質や追加の手術の有無で価格は変動するので一概には言えませんが、極端に高額または安価なクリニックは避けるほうが無難です。

安価なクリニックを避けた方がよい理由は「安いインプラントを提供しているクリニックで治療を受けても大丈夫でしょうか?」の記事で詳しく解説しています。

インプラントとは

よりよい治療を受けるためにもインプラント治療のセカンドオピニオンは積極的に受けよう

いかがでしたでしょうか?

セカンドオピニオンを受ければ、かかりつけの歯科クリニックによる診断の正当性や、ほかの治療方法の選択肢を確認できます。
なかには受診を遠慮している方もいらっしゃるかもしれませんが、セカンドオピニオンは患者様の当たり前の権利なので、積極的にご活用ください。

セカンドオピニオンを受ける場合は、受診する旨を主治医に伝え、レントゲン写真や紹介状を受け取ることをおすすめします。
検査データがあると診断がスムーズに進むほか、検査の手間や費用も削減されます。

きぬた歯科では、セカンドオピニオンも承っております 。
インプラント治療など、現在通っている歯科クリニックの診断内容に納得できていない方は、当院にご相談ください。
インプラント治療のきぬた歯科

この記事の監修者

日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。

日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。

本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。

<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!

<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科

<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia