歯がボロボロになったときの治療方法

歯がボロボロになってしまったときの治療方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
今回は代表的な5つの治療方法を紹介します。

治療方法①インプラント治療

歯がボロボロになってしまったときの治療方法の一つに、インプラント治療があります。
インプラント治療とは、歯を欠損した部分の顎骨にインプラント体と呼ばれる人工歯根を埋め込み、さらにその上から人工歯を被せる治療方法です。

インプラントとは?メリット・デメリットや他の治療との違い

インプラント治療のメリットは、本物の歯に近い見た目と咬合力を持っており、さらに耐用年数が10~15年と長いことです。
一方で、治療費が比較的高額となる点や、治療期間も半年程度と長い点はデメリットといえるでしょう。

インプラントの費用について気になる方はぜひ、「インプラントの費用の基礎知識と1本あたりの費用について」で紹介しております。

治療方法②ブリッジ治療

インプラント治療よりも安価な方法に、ブリッジ治療があります。
ブリッジ治療とは、歯を欠損した部分の両隣の歯に偽歯となるブリッジを橋渡しして被せる治療方法です。

ブリッジ治療は保険適用のため、治療費用が抑えられるというメリットがあります。
反面、両隣の健康な歯を削る必要があり、また寿命も7~8年程度とインプラント治療と比較すると長持ちしないというデメリットもあります。

治療方法③入れ歯治療

歯がボロボロになったときの治療方法として、入れ歯を用いる方法を連想された方も多いのではないでしょうか。
入れ歯治療とは、歯を欠損した部分に取り外し可能な人工歯を取り付ける治療方法です。

入れ歯治療のメリットとしては保険適用の治療なので費用が抑えられる点や、身体への負担が少ない点、さらに治療期間が短い点が挙げられます。
一方で入れ歯の寿命は3~5年程度と短い傾向にあり、咬合力もインプラント治療に比べると弱く、さらに咀嚼がしにくいなどのデメリットもあります。

治療方法④矯正治療

歯がボロボロになって隙間があいてしまった場合は、矯正治療を行うという選択肢もあります。
矯正治療とは、専用装置を用いて嚙み合わせや歯並びを文字通り矯正する治療方法です。

矯正治療を行うと、歯を欠損した部分の隙間を埋めることができます。
一方で矯正治療は治療期間が2年程度と長く、また治療可能かどうかは、失った歯の本数や状況によって制約を受ける可能性があるというデメリットもあります。

治療方法⑤歯周病治療

歯周病が原因で歯がボロボロになってしまっている場合は、まずは歯周病を治療しましょう。
歯周病とは、歯周病菌が歯と歯茎の間に入り込み、歯を支える土台である骨を溶かしてしまう病気です。
虫歯と違って痛みが無いまま進行し、気づいたときには骨が溶けて歯がグラグラと揺れたり、抜けてしまったりするということも起こり得ます。

歯周病になってしまった場合はクリニックで正しいブラッシングや口腔ケアの仕方を指導しながら、歯周病の改善をはかっていきます。

歯がボロボロになったときの治療の進め方

歯がボロボロになったときの治療方法にはいくつか種類がありますが、今回は、当院でも実績が豊富なインプラント治療の流れに特化して解説をしていきます。

手順①検査と治療計画

まずは患者様のお悩みやご希望などの問診をさせていただき、次に口腔内検査を行います。
口腔内検査では、歯や歯茎、骨や粘膜の状況を目で確認します。
歯周病や虫歯などのトラブルがある状態でインプラント治療を行ってしまうと、より大きなトラブルに発展する可能性もあるため、口腔内検査は非常に重要です。

続いてレントゲンやCT撮影を行い、骨の状況や量を正確に把握します。
なお、当院ではレントゲンとCT、いずれの撮影費も発生しません。

検査終了後、口腔内の状況を踏まえた治療計画を説明させていただきます。

手順②第一治療

治療計画が決まったら、いよいよ実際の治療の開始です。

当院では、手術を二回に分けて行う「二回法」を採用しており、まずは第一治療とよばれる一回目の手術を行います。
第一治療では、静脈内鎮静法による麻酔を施したうえで、骨に孔を空けてインプラント体を埋入します。
インプラント体の埋入が完了したら、カバースクリューという部品を装着し、歯肉を縫合して手術は一旦完了です。

第一治療は、比較的短時間で終えられるため、手術当日にご帰宅いただくことが可能です。
たとえば、インプラントを3本埋入する場合は15分程度で手術が完了します。

手順③第二治療

第一治療から2~6か月経過し、埋入したインプラント体が顎骨にしっかりと定着したら、第二治療を開始します。
なお、第一治療から第二治療までの期間は患者様のご年齢やお口の中の状態によって異なります。

第二治療は、前回顎骨に埋入したインプラント体に人工歯を取り付ける治療です。
まず歯茎を切開し、インプラント体の上部を露出させます。
ここにアバットメントという、インプラント体と人工歯をつなぐ役割を果たすパーツを差し込んで、また数日間様子を見ます。

手順④人工歯の型取りと装着

アバットメントの装着後、3日~7日程度経過したら人工歯を作るための型取りを行います。
その後、1週間程度で仮の人工歯が完成しますので、実際に装着いただいたうえで、痛みや違和感がないかといった点をチェックします。

さらに1週間程度で、最終的な人工歯が完成し、これをアバットメントに装着して治療が完了します。

手順⑤定期検診とメンテナンス

第二治療完了後、痛みや炎症、違和感がないことを確認し、問題がなければ治療は成功です。
その後は、トラブルがない限りは定期健診に通っていただくことになります。
定期検診は、インプラント治療のみならず健康な歯を維持するうえでも必要ですので、定期的にクリニックへ通っていただくことをおすすめします。

歯がボロボロになったときの治療で注意すること

インプラント治療では、抜け落ちてボロボロになった状態の歯もきれいに治すことができますが、治療に際して下記の注意点を事前に把握しておくことも大切です。

注意点①治療完了までの所要期間を把握しておく

インプラント治療は、インプラント体が顎骨に定着するのを待つ必要があることから、治療期間が半年程度と長期に渡ります。
そのため、事前カウンセリングの際に治療スケジュールをきちんと把握しておくことが重要です。

注意点②治療費を把握しておく

インプラント治療は自由診療となり、医療保険の適用範囲外であるため、治療費が比較的高額になります。
費用は人工歯の材質によって異なり、当院では1本あたり、治療費および税込みで32万円~43万円でご案内しています。
費用も事前カウンセリングの際に相談と確認をしておきましょう。

注意点③経験豊富な歯科医師を選ぶ

インプラント治療のプロセスには顎骨を削る手術も含まれるため、経験と実績のある歯科医師を選ぶことが大切です。

信頼できる歯科医師の選び方としては、インプラント治療の年間実績数をチェックすることが一つの方法です。
こちらはクリニックのホームページに記載されていることが多く、目安としては年間60~100本程度の治療を行っていれば、信頼性が高いと考えてよいでしょう。
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歯がボロボロになってしまった場合は、信頼できる歯科医師と相談して、自身に合った治療方法を見つけよう

いかがでしたでしょうか?

「歯がボロボロになってしまった!」という場合、口腔内の状況やご希望によっていくつかの治療の選択肢があります。
どれがご自身にとってよい治療方法なのかを知るためにも、まずはクリニックで相談しましょう。

当きぬた歯科は年間3,000本と、インプラント治療において国内最多の実績があります。
もしインプラント治療について悩まれていらっしゃるのであれば、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。

日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。

本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。

<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!

<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科

<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia