インプラント治療を直接的に安くする方法はない

結論からいうと、インプラント治療を直接的に安くする方法はありません。

インプラント治療は基本的に自由診療で、全額自費負担と決まっているからです。
それは年齢や性別、どれだけ歯科医に通っているかなどは一切関係ありません。

インプラント治療の現状は、自費負担で変わらないので、どのようにしてお金を工面するかに力を入れた方がよいでしょう。

デンタルローン

インプラント治療の支払いは、虫歯や定期健診のように歯科医院の窓口で支払うのが一般的ですが、高額治療なので分割にする方もいます。

分割で支払う場合、デンタルローンというのを組むわけですが、1回あたりに支払う金額が少なくなっただけで結果的には利息が追加されるので、総額は高くなっているのが実情です。

1回あたりの支払いが安いので、安く支払っているように感じますが、総額は一括よりも高いため、支払い方法には注意が必要です。

ちなみにデンタルローンの金利はおよそ3~8%、クレジットカードの金利が10~15%なので、クレジットカードを使うよりかはデンタルローンを利用した方が金利を抑えられ、お得と言えるでしょう。

インプラントは保険適用外

先述しているように、インプラント治療は、保険適用外の自由診療扱いです。なぜなら審美性に特化した治療だからです。

そのため手術代やパーツ代などを、すべて自費で支払うことになります。

ケースによってはインプラントに保険が適用されることもありますが、それは本当に稀です。
例えば交通事故等で顎の骨を失くしてしまった、生まれつき疾患で治療が必要といったケース。

上記の場合でも審美性に特化したインプラントが最適なのかや、インプラントは必要以上の回復機能に値するのではないかなど、厳しい審査があり、場合によっては保険適用外になることも珍しくありません。

基本的にインプラント治療は保険適用外で、自由診療、全額負担であると覚えておくとよいでしょう。

インプラント治療を安くできるケース

基本的には、治療費を安くする方法はありません。
しかし、一定の条件を満たせば医療費控除を受けられ、治療費を安くできる可能性があります。

医療費控除とは、年間10万円以上の医療費を支払った場合に受けられる控除のことです。
インプラント治療も控除の対象になりますが、歯をきれいにするという目的では対象外の扱いとなります。
対象となるケースは、失った歯の機能を取り戻す手段としての治療の場合のみなので、すべてのケースで控除を受けられないという点では注意が必要です。

インプラントの治療費用

医療費控除の仕組み

医療費控除の額は「(医療費用の合計-10 万円)×所得税率」で求められ、高額納税者ほど手元に戻ってくる金額が高くなるような仕組みです。
また、医療費控除の申請は、確定申告が行われる毎年2月16日から3月15日までの1か月のあいだにできます。
万が一申告を忘れてしまった場合でも、医療費控除は5年前までさかのぼっての申告が可能です。

申請時に必要な書類は確定申告書・医療費控除の明細書・医療費通知(あれば)・治療費や交通費の領収書・源泉徴収票などです。
医療費控除を受けたい方は、確定申告が行われる期間内に漏れなく書類をそろえ、申請しましょう。

インプラント治療は医療費控除の対象ですか?

インプラント治療を安くできる人もいる

基本的に全額自費、自由診療であるインプラント治療を安くできる人がいるのをご存知でしょうか。

キレイな歯に生まれ変わり、なおかつ安く治療できるならそれに越したことはありません。
とはいえ、安くするには厳しい審査基準があります。早速見ていきましょう。

インプラント治療する医院は選択できない

インプラント治療は一定の条件を満たしていれば、自由診療から保険適用へと切り替わり、治療費を抑えられるわけですが、いくつかの条件があります。

そのうちの一つが「インプラント治療する医院は選択できない」という点です。

しかも当条件下でインプラントするのであればさらなる制限がいくつかあり、結果的にクリニックといった街の歯医者では受診することができません。

代表的な条件は下記です。

  • 当直体制があること
  • 入院用のベッドが20床以上ある歯科もしくは口腔外科

つまり附属病院や総合病院といった大きな病院でしか取り扱ってくれないのです。
行きつけの歯医者さんで慣れた先生にしてもらいたい!という方は少なくないでしょうが、保険適用となると受診できる病院も限られてくるのが現状です。

行きつけの歯科医院でどこの病院なら保険適用でインプラント治療してくれるか、確認してみてもよいでしょう。

保険適用の規定をクリアしている場合

インプラント治療を保険適用でできる場合の条件は下記です。

  • 腫瘍や事故の外傷などが原因で顎の骨を連続して1/3以上失っている症例
  • 生まれつきの疾患により顎骨を連続して1/3以上失っている症例
  • 下顎の顎骨の1/3以上が連続して失っている、もしくは腫瘍などの病気で下顎を切除していると診断されている場合

上記のように生まれつき・もしくは事故等の外傷で、顎全体の3分の1を失っている場合、インプラント治療を保険適用して受けることができるのです。

上顎か下顎かによっても適用できる条件が異なるので、自分がどちらに該当しているかよく確認する必要があります。

格安なインプラント治療をおすすめしない理由

歯科医院のなかには、一般的な治療費よりも格安な費用でインプラント治療を実施しているところも存在します。
しかし、そのような歯科医院での治療は、以下の3つの理由からおすすめできません。

理由①品質の低いインプラントを使っている

まず、理由の1つとして、使用しているインプラントの品質が低いということが挙げられます。
インプラントはあごの骨に金属製の人工歯根を埋め込むものなので、品質の低いインプラントを使用すると、あとになって体に悪影響を及ぼすリスクがあります。

インプラントはメーカーによって違いがあるのでしょうか?

理由②日本で未承認のインプラントを使っている

日本で未承認のインプラントを使っているというケースがあることも、格安なインプラント治療をおすすめできない理由です。

通常の歯科医院で使用されているインプラントは、国からの承認を得て使用許可が下りているものです。
一方で、国からの使用許可が出ていないものを使うと、インプラントを埋め込んだ部位に大きな痛みが生じたり、周りの歯にダメージを与えたりしてしまいます。

理由③医師に十分な実績がない

格安なインプラント治療をおすすめできない理由として、施術する医師に実績がない可能性があることも挙げられます。
実績のある歯科医院には患者が集まりやすいですが、当然ながら実績がないと集客は難しいです。
そのため、格安で治療を提供して集客する歯科医院もなかには存在します。

格安のインプラント治療のトラブル事例

過去には、格安のインプラント治療による死亡事故が発生したケースもあります。
具体的には、施術の経験が少ない医師がCTの事前検査を怠った結果、治療中に動脈を損傷させてしまい、出血多量で患者が亡くなってしまったという痛ましい事故です。

このように、インプラント治療は生命にも影響を及ぼしかねないリスクがある医療行為であるため、格安の治療を提供している歯科医院には注意しましょう。

格安のインプラント治療を提供している歯科医院はおすすめできない

いかがでしたでしょうか。

インプラント治療で治療費を安くする方法は、基本的にはありません。
ただし、失った歯の機能を取り戻すための治療を行う場合、医療費控除を受けられるので治療費を安くできます。
なお、歯をきれいにする目的での治療では控除を受けられないので、注意が必要です。

また、格安のインプラント治療を提供している歯科医院では、品質のよくないインプラントを使用している可能性があり、体に悪影響を及ぼすリスクがあります。
必ず、信頼性の高い医院で治療を受けるようにしましょう。

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この記事の監修者

日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。

日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。

本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。

<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!

<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科

<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia