インプラント治療を選ぶメリットはなんでしょうか?
歯を失ったときの治療法には、入れ歯治療とブリッジ治療、インプラント治療の3つがあります。
これら3つの治療法のなかでもインプラント治療が優れているところはどのようなものなのでしょうか。
ここからは、そのメリットを6つ紹介します。
メリット①健康な歯への影響が少ない
インプラント治療は、治療する対象の歯の周囲にある健康な歯への影響が少なくて済みます。
ブリッジ治療という治療法では、治療にあたって隣の歯をいくつか削らなくてはならないため、健康な歯が失われることになります。
その点、インプラント治療は健康な歯をそのままの状態にしておけるので、ほかの歯への影響が少ないということはメリットだといえるでしょう。
メリット②自然な見た目になる
インプラントは入れ歯やブリッジと比べると審美性(見た目の美しさ)が高いことが特徴です。
入れ歯の場合、種類によっては金属のバネが見えてしまうことがあり、ブリッジの場合も金属の歯を使うと目立つことがあります。
そのため、入れ歯やブリッジは審美性があまり高くないといわれています。
一方で、インプラントの場合は埋め込んだ人工歯を治療する人の歯の色に極限まで近づけられ、かつ変色しにくいという特性があるため審美性が高いです。
したがって、自然な見た目にすることができるという点でも、インプラント治療を選ぶメリットを感じられるでしょう。
メリット③咀嚼しやすい
咀嚼しやすいこともインプラント治療ならではのメリットの1つです。
たとえば、歯がまったく残っていないときに使う総入れ歯だと、自身の歯と比べて咀嚼しにくいというデメリットがあります。
一方のインプラントはあごの骨と結合して埋入されるので、総入れ歯よりも自身の歯に近い感覚で咀嚼することができます。
そのため、違和感なく咀嚼できることは、インプラント治療のメリットの1つだといえるでしょう。
メリット④セルフケアが簡単
インプラントは入れ歯やブリッジと比べると、セルフケアが簡単です。
入れ歯の場合、入れ歯を取り外してから入念に手洗いする必要があります。
また、ブリッジはその構造から歯垢がたまりやすいという特徴があるため、歯ブラシだけではなくデンタルフロスを用いて歯垢を取らなくてはなりません。
一方のインプラントは、基本的には通常の歯に対して行う歯磨きを行えば問題ないでしょう。
ただし、3~6か月に一度は歯医者でメンテナンスを受ける必要があることには注意が必要です。
メリット⑤あごの骨が細くなることを防げる
あごの骨が細くなることを防げることもまた、インプラント治療ならではのメリットだといえるでしょう。
人の骨は適度な負荷がかかっていないと細くなっていくようにできています。
あごの骨もまた同様で、咀嚼が少ないとあごの力は弱くなっていく一方です。
歯を失うと、失った部分での咀嚼が難しくなってその部分の筋力が衰えていき、老けた印象になってしまったり、あごの骨に歪みが生じたりする可能性があります。
そこで失った歯をインプラントにすれば、咀嚼に影響が出ないため、あごが細くなるリスクを最小限に抑えられます。
メリット⑥長持ちする
インプラントの寿命は10~15年程度であり、入れ歯やブリッジよりも長持ちします。
入れ歯の場合は4~5年程度、ブリッジの場合は7~8年程度といった具合です。
このように、ほかの人工歯よりも長持ちすることもインプラント治療を行うことで得られるメリットだといえます。
インプラント治療を選ぶデメリットはなんでしょうか?
インプラント治療を選ぶことにはメリットばかりではなく、いくつかのデメリットもあります。
ここからは、そのデメリットを5つ紹介します。
デメリット①治療期間が長い
インプラント治療にかかる期間は、基本的に4~6か月程度です。
入れ歯の場合は完成までに2~3か月程度かかり、ブリッジの場合は1~2週間程度で治療を終えられます。
このなかでもっとも治療期間が長いという点は、インプラント治療を選ぶデメリットだといえます。
デメリット②外科手術である
インプラント治療は外科手術であるため、入れ歯治療やブリッジ治療と比べると体への負担が大きいです。
そのため、健康状態によっては治療を受けられないこともあります。
また、手術では麻酔を使いますが、麻酔が苦手な方にとっては手術が苦痛になるかもしれません。
このように、治療ができる人とできない人が出てくることは、デメリットだといえるでしょう。
デメリット③保険が適用されない
インプラント治療は保険が適用されないため、治療費が高額になる傾向があります。
入れ歯治療やブリッジ治療よりも高額な費用がかかってしまうという点は、デメリットになるでしょう。
インプラントの費用の基礎知識と1本あたりの費用について
デメリット④金属アレルギーの反応が出る可能性がある
インプラント治療ではチタンという金属をあごの骨に埋め込むのですが、金属アレルギーを持っている場合は注意が必要です。
チタンは人の身体と親和性の高い金属なのでアレルギー反応を起こしにくいですが、チタンの質によってはアレルギー反応が出てしまうことがあります。
たとえば、安価な治療費で治療を受けられる歯医者では、純度の低いほかの金属との混合のチタンを用いていることが少なくありません。
金属アレルギーを持っても治療したいという方は、純度の高いチタンを使っている歯医者で治療を受ける必要があります。
デメリット⑤定期的なメンテナンスが必要
インプラント治療後は、定期的に歯医者でメンテナンスをしてもらう必要があります。
具体的には、噛み合わせの確認やインプラントとその周辺の歯の状態の確認をします。
メンテナンスをしないと劣化スピードが早くなり、寿命が短くなってしまうので、メンテナンスはしっかりと実施しなくてはなりません。
インプラント治療で気を付けたいことは?
ここからはインプラント治療の際に、気を付けておきたいことや注意点などについて解説します。
①実績のある歯科医院かどうか
そもそもインプラント治療は外科手術が必要となるため、インプラント治療における実績や正しい知識を持っている歯科医院かどうかがとても大切です。
数多くの実績を所有している医院であれば、様々なケースに柔軟に対応・対処でき、トラブルが起きても安心して診てもらえます。
インプラント治療の実績については各医院、ホームページに記載されていることがほとんどなので、直接医院に聞く前に自分で事前に調べておくとよいでしょう。
併せて、その歯科医院に通う知人やインターネットの口コミも参照してみましょう。
②事前の説明や事後のメンテナンスの案内はしっかりしているか
高度な技術が必要となるインプラント治療は、やって大丈夫かな…と不安を抱える方も多いはず。
安心できる歯科医院は、インプラント治療における器具の説明や治療に有する期間といった事前説明や治療後のメンテナンスの案内を怠りません。
また患者さんが不安に思っていることを前もって説明したり、不明点をくみ取ってくれたりといった丁寧な対応をしてくれるところが多いです。そのような歯科医院は安心してインプラント治療を任せられるでしょう。
反対に質問しなければ教えてくれない、治療後のメンテナンスの案内もしないといった歯科医院は、治療が終われば終わりと思っている場合もあるので注意が必要です。
③食生活・生活習慣の見直しも検討が必要
インプラント治療をするにあたり、人によっては食生活や生活習慣の見直しが必要になる場合があります。
例えばインプラント手術後は、傷の治りをよくするために喫煙を控えたり、止血を促すため入浴や激しい運動、飲酒したりもNGです。
そのほかにも手術前日は十分な睡眠時間を確保する必要があり、静脈内鎮静法下の手術をした場合は車や自転車の運転はできないなど、日常生活に制限が出るケースもあります。
ほとんどの場合、インプラント治療直後や直前における制限ですが、あらかじめ確認しておき、手術に合わせた予定を立てるようにしましょう。
インプラント治療を選ぶメリット・デメリットを知り治療実施の判断をしよう
いかがでしたでしょうか。
失った歯を治療する方法としては入れ歯治療とブリッジ治療、インプラント治療の3つが挙げられます。
総じていえば、インプラント治療はもっとも身体に馴染みやすいですが、一方でそれなりの治療期間や治療費がかかるとまとめられます。
これからインプラント治療をしてみたいという方は、上記3つそれぞれのメリット・デメリットを理解しておくことが重要です。
きぬた歯科は年間3,000本のインプラントを埋入した、インプラント治療で実績のある歯医者です。
失った歯を治療したいという方は、ぜひご相談ください。
この記事の監修者
日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。
日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。
本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。
<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!
<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科
<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia