インプラントの種類

インプラントには大きく分けて2つの種類があり、治療方法によって構造が変わります。

インプラントの構造

  • ワンピースタイプ
  • ツーピースタイプ

ワンピースタイプは、インプラント体とアバットメントが一体化しているものです。
インプラント体とアバットメントを1度に埋入できるため、インプラント手術が1回で済むことが大きなメリットだといえます。

ツーピースタイプは、インプラント体とアバットメントが別々になっています。
インプラント体を埋め込む手術と、アバットメントを取り付ける手術それぞれが必要になるため、ワンピースタイプよりも治療期間が長くなる点がデメリットでしょう。

インプラント体の種類

インプラントの部品の1つである、インプラント体にもさまざまな種類があります。
形状や材料などが違うため、患部の状態によって適切なものを選ぶことが大切です。

インプラント体の形状

インプラント体の形状は、一般的に3つの種類があります。

インプラント体の形状

  • スクリュータイプ
  • シリンダータイプ
  • バスケットタイプ

スクリュータイプは、インプラント体のなかでも最も多く使われている形状で、ねじのように回転させながらあごの骨に埋め込みます。
骨と接触する面積が大きくなるため、埋入後に安定感があることが特徴です。

シリンダータイプは円筒型になっており、穴を開けたあごの骨にハンマーで叩きながら埋入します。
骨との接触面積がスクリュータイプよりも少ないため、固着が弱くなる点がデメリットです。

バスケットタイプは、インプラント体の内部が空洞になっているため、インプラント体の内部まで骨が入り込めるようになっています。
しかし、内部が空洞のため強度がなく、現在はほとんど使われなくなりました。

インプラント体の材料

インプラント体には、チタンという金属が使われることがほとんどです。
チタンは、人間の体になじみやすいという特徴をもっているため、金属アレルギーの方でも安心して使えます。

さらに、骨と結合しやすい特性もあるため、インプラント治療の際に使用する金属部品はほとんどがチタンでできています。

以下に、チタンを中心としたインプラント体によく使われる材料を2種類まとめました。

インプラント体に使われる材料

  • 純チタン・チタン合金
  • チタン・ニッケル合金

純チタン・チタン合金は、強度があり長持ちしやすいことが特徴です。
チタン・ニッケル合金は、形状を自由に変えることができ、さらにその形を保ちやすい特徴があります。

アバットメントの種類

インプラント体と人工歯を繋ぐ役割を持つ部品が、アバットメントです。
アバットメントは材料によって、種類が異なります。

以下に、一般的に使用されるアバットメントの材料をまとめました。

アバットメントに使用される材料

  • 純チタン
  • チタン合金
  • セラミック
  • ジルコニア

純チタンやチタン合金は、金属のため強度がありますが、セラミックやジルコニアは非金属のため、金属アレルギーのある方でも安心して使用できます。
また、ワンピースタイプのインプラントの場合は、インプラント体と同じ金属製になることに注意しましょう。

アバットメントの役割と種類については「インプラント治療でよく聞くアバットメントとはなんでしょうか?」をご覧ください。

人工歯の種類

人工歯は食べものを噛む部分であり、見た目に影響する部分でもあります。
そのため、強度や審美性などが重視されており、材料にもさまざまな種類があります。

人工歯に使われる材料

  • ジルコニアセラミック
  • オールセラミック
  • ハイブリッドセラミック
  • ゴールドクラウン
  • メタルボンド

ジルコニアセラミックは、耐久性に優れており、経年劣化にも強い点が特徴です。
オールセラミックの人工歯は、汚れが付きにくく経年劣化による変色がないため、審美性に優れています。

また、ハイブリッドセラミックの人工歯は、セラミックとプラスチックを合わせた素材で、価格が抑えられる点がメリットといえます。

一方、ゴールドクラウンは金属性のため、前歯などの見えやすい位置のインプラントには向いていません。
メタルボンドの人工歯は、歯の形を金属で作ってから、セラミックをコーティングした造りになっているため、強度があり割れにくいです。

インプラントとセラミックの違いについては「インプラントとセラミックってなにが違うのでしょうか?」をご覧ください。

インプラントには2種類あり部品ごとに材料や形状も異なる

いかがでしたでしょうか。

インプラントには2つの種類があり、種類によって治療方法も異なります。

部品であるインプラント体やアバットメントは、主にチタンという人体になじみやすい金属を使用するため、金属アレルギーの方でも安心して使用できるでしょう。
また、人工歯の材料にはさまざまな種類があるため、審美性や耐久性も異なります。

歯科医院で取り扱っているインプラントの種類も異なるため、歯科医師と相談して適切なインプラントを選びましょう。

きぬた歯科では、患者様に適切なインプラント治療ができるように、事前のご相談や診察を重点的に行っています。
インプラント治療に不安がある方は、ぜひ当院にご相談ください。

この記事の監修者

日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。

日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。

本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。

<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!

<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科

<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia