インプラント治療における骨造成とは

骨造成とは、インプラント治療を行うための、あごの骨の厚みや高さが不足している場合に用いられる治療のことです。

インプラント治療は、骨の厚みや高さが不足していると、治療できません。
骨造成は、口内の状態によって治療法が異なりますが、治療を受けることでインプラントの埋入が可能になります。

骨造成については「インプラント治療で聞く「骨造成」とはなんでしょうか?」をご覧ください。

骨造成が必要なケース

骨造成が必要なケースとしては、あごの骨の厚みや高さが不十分で、インプラント治療を受けられない方に当てはまります。

骨の厚みや高さが不足している原因は、以下のとおりです。

骨の厚みや高さが不足している原因

  • 歯周病が進行している
  • 歯が抜けたままの状態で放置している
  • 合わない入れ歯を長期にわたり使用している

歯周病が進行すると、歯茎だけでなくあごの骨にまで炎症が広がり、歯を支える骨が溶けてしまうおそれがあります。
その結果、骨造成が必要になる可能性を考慮しなければなりません。
また、歯が抜けた部分を治療せずに放置している、合わない入れ歯を長期間使っている場合は、噛む力があごの骨に伝わりません。
骨に刺激を与えることができないと、骨が痩せてしまう原因になります。

患者様ご自身がインプラント治療を受けるうえで、骨造成が必要かどうかを確認するなら、口内の状態をレントゲンや歯科用CTで撮影する必要があります。
当院では、レントゲンや歯科用CTでの撮影を無料で提供しているため、ぜひご利用ください。

骨造成の種類

骨造成は、骨の状態によって3つの手術に分かれます。
それぞれの治療法と、どのような基準で治療法が変わるのかを解説します。

ソケットリフト

ソケットリフトは、上あごの骨にインプラント体を埋め込むための、十分な骨の高さがない場合に用いられる治療法です。
施術するには、6mm以上の骨の高さが必要になります。

骨の量が局所的に不足している場合に適しているため、費用が安く治療期間も短いですが、広範囲の骨造成には向いていません。

サイナスリフト

サイナスリフトは、ソケットリフト同様、上あごの骨の高さが不足している場合に用いられます。
ソケットリフトとの違いは、骨の高さが5mm以下の場合に採用される点です。

サイナスリフトは、骨の量を広範囲で増やすことができますが、そのぶん治療が難しいため、ある程度の費用がかかります。
また、治療期間も長期にわたるため、自身の予定に余裕をもったうえで治療を受けましょう。

GBR法

GBR法とは、Guided Bone Regenerationの略で、日本語で骨誘導再生法ともよばれる治療法のことです。
あごの骨の厚みや高さが不足している場合に、自家骨(自分の骨)や骨補填材を充填して、その上にメンブレン膜という人工膜を覆い被せます。

上あご以外の骨でも骨造成できますが、治療期間が長く費用も高くなります。

GBR法によって生じる腫れや痛みの原因、対処法については「インプラント治療でGBR法を行った際に、腫れや痛みは起きますか?」をご覧ください。

骨造成の治療期間

骨造成の種類によって、治療期間は大きく異なります。
骨造成の治療期間は、以下の表に記載したとおりです。

骨造成の治療期間

骨造成の種類 治療期間
ソケットリフト 3か月程度
サイナスリフト 6か月程度
GBR法 6~10か月程度

ただし、これらの治療期間はあくまで一例であり、患部の状態によっては期間が伸びる可能性があります。
歯科医師と治療の計画を立てたうえで、治療に臨みましょう。

骨造成にかかる費用の相場

骨造成にかかる費用の相場は、以下をご参考になさってください。

骨造成にかかる費用の相場

骨造成の種類 費用
ソケットリフト 3万~10万円程度
サイナスリフト 15万~30万円程度
GBR法 10万~15万程度

サイナスリフトは、広範囲で骨造成を行う治療法であるため、ほかの治療法に比べると費用が高くなります。

歯科医院や患者様の状態によっては、費用が上記の表と変わることがあります。
骨造成が必要な場合は、治療法や費用について、歯科医師と相談したうえで治療を受けましょう。

骨造成にかかる費用で注意しなければならないポイント

前述の表をみると、骨造成の費用が、高いと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
骨造成は、手術の難易度が高い点や、骨補填材などの高い材料を使用する点を踏まえると、費用がおのずと高くなってしまいます。

また、保険も適用されないので、治療にかかる費用の全額が、患者様のご負担になります。
骨造成にかかる費用が自費診療と把握したうえで、担当の歯科医師と費用について話し合うことが大切です。

インプラントとは

インプラント治療における骨造成の種類や、患部の状態によって費用は異なる

今回は、骨造成の種類ごとに治療期間や費用の相場などを解説しました。

歯科医師からインプラント治療が難しいと判断された場合は、骨造成の手術を受ける必要があります。
また、骨造成には3種類の治療法があり、患部の状態によっては、患者様に適した治療法が異なるため、事前にレントゲンや歯科用CTで撮影してもらいましょう。

当院では、より安全なインプラント治療を提供するために、治療前のヒアリングを大切にしています。
インプラント治療に悩みや不安を抱えておられる方は、お気軽にご相談ください。
インプラント治療のきぬた歯科

この記事の監修者

日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。

日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。

本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。

<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!

<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科

<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia