インプラント治療とは?

インプラント治療とは、失った歯を補うために、あごの骨に金属のインプラント体を埋め込み、人工歯を被せる歯科医療のことです。
もともとは人の体に埋め込む医療器材の総称でしたが、歯科インプラント治療が普及してきたことで、インプラントといえば歯科インプラントを指すようになりました。

インプラント治療は、ブリッジや入れ歯と違い、健康な隣の歯を削ることなく、審美性に優れた人工歯を取りつけることができるので、見た目を気になさる方には特におすすめです。

インプラント治療の概要については「インプラントとは?メリット・デメリットや他の治療との違い」をご覧ください。

インプラント治療に保険は適用されるのか?

インプラント治療は自由診療なので、基本的には健康保険が適用されません。
ただし、先天的な疾患がある場合や病気および事故で歯を失った場合は、一定の基準を満たしたクリニックで治療する条件で、例外的に保険が適用されます。

インプラント治療でローンを組めるのか?

結論から申し上げますと、インプラント治療でローンを組むことはできます。
一般のカードローンや、クレジットカードも利用可能です。

以下で、それぞれの特徴を確認しましょう。

デンタルローン

デンタルローンは、金融機関や信販会社などが提供する、保険対象外の歯科治療に限定されたローンです。
デンタルローンを利用することで、インプラント治療にかかった費用をローンで支払えます。

かかった歯科治療費は信販会社などが一度立替払いし、患者様が分割払いで元本と利息を返済していく仕組みは、クレジットカードと変わりません。
デンタルローンによって、保険適用外の高額治療の費用面のハードルを大きく下げることができます。

カードローン

カードローンは、銀行や信販会社、消費者金融といった金融機関が提供しているサービスの一つです。
契約時に決められた、借り入れ限度額の範囲内ならいつでも借り入れ可能です。

カードローンの使い道は自由で、歯科治療費の支払い分を借り入れることもできます。
返済の仕方も、毎月定額返済のほか、まとまった資金ができたときの臨時返済など、比較的自由がききます。

クレジットカード分割払い

クリニックのなかには、普段使っているクレジットカードを利用できるところもあります。
毎月希望額ずつ、あるいはボーナス払い併用といった返済の仕方です。

なかには、クレジットカードの支払いに対応していないクリニックもあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。

デンタルローンを組むメリット

デンタルローンを利用する最大のメリットは、ほかのカードにはない金利差です。

上述した、デンタルローンやカードローン、クレジットカードで分割払いを選択したときは、それぞれ分割手数料がかかりますが、その手数料にはかなりの違いがあります。
年金利を比較してみると、デンタルローンの金利は5%前後なのに対し、クレジットカードは15%程度、カードローンは15〜18%といわれています。

実際の支払手数料は個々で違ってきますが、デンタルローンの金利手数料が圧倒的に優遇されているのは確かです。
歯科治療費の分割払いを検討されている方は、治療を受けるクリニック提携のデンタルローンの金利手数料を、クレジットカードやカードローンの手数料と比べてみましょう。

メリット①手軽に手続きができる

デンタルローンを利用するメリットの一つに、クリニックですべての手続きが可能という点も挙げられます。
平日15時までしか開いていない金融機関と違い、デンタルローンはクリニックの開院時間であれば申し込みができて、手続きや審査を簡単に済ませることができます。

仕事や家の事情により、平日15時の手続きに間に合わない方でも安心ですね。

メリット②支払い回数を選ぶことができる

デンタルローンは、最小6回(半年)から最大84回(7年)までの分割払いが可能です。
毎月の返済可能額に合わせて、支払い回数を選べます。

一般的に、クレジットカードにおける分割払いの最大分割回数は36回、カードローンは60回なので、支払い回数を多く設定できる点でもメリットが大きいです。

また、まとまったお金ができたときに返済期間を短縮して支払うこともできるので、自分の都合に合わせて返済額を決められるのも、デンタルローンの良いところでしょう。

メリット③利用額を任意に設定できる

デンタルローンは、治療費の全額を充てなければならないわけではありません。
治療額の半分を現金一括で、半分をローンでといった使い方もできます。

借入れ金額が少なければ、それだけ金利払いも少なくなり、支払い総額も減ります。
デンタルローンの利用額を決めるときは、現金とローンの組み合わせを前提に、無理のない支払い計画を組みましょう。

メリット④手元に資金がなくても利用できる

手元にまとまったお金がなくても、インプラント治療を受けることができるのもデンタルローンの利点です。
治療の費用がまとまって払えない人も、家計へのダメージが少ないローンで治療が受けられるのです。

治療を受けるために必要な資金が準備できなかった方は、検討してみてはいかがでしょうか。

メリット⑤インプラント治療以外の自由診療に利用できる

デンタルローンはインプラント治療以外でも、クリニックで受けられる自由診療であれば、原則利用できるローンです。
歯列矯正やセラミック治療など、怪我や病気の治療目的以外の、保険適用外の高額治療がそれに該当します。

自由診療の治療費を実質分割にできるうえ、頭金の必要もないので、インプラント以外の治療のハードルも大きく下がります。
ですので、費用面で自由診療が選択できない場合は、デンタルローンに対応したクリニックを探すとよいでしょう。

デンタルローンを組むデメリット

インプラント治療や歯列矯正などで利用するうえで、非常にメリットが多いデンタルローンですが、デメリットも存在します。

主なものは次に挙げる3点ですが、これにくわえて、お申し込みから融資を受けるまでの時間がかかることも挙げておきましょう。
平均1日~数日、場合によっては1週間以上の時間がかかるのでその点は踏まえておく必要があります。

それぞれのデメリットを見ていきましょう。

デメリット①審査に通るとは限らない

審査に通らなければ利用できないのは、一般のローンもデンタルローンも同じです。
借入額が多すぎたり、収入額が極端に少なかったりする場合は、返済能力が疑問視され、審査で落とされる場合もあります。
特に、専業主婦や学生、パートアルバイトの方は審査が通りにくい傾向にあるので、必ずしも利用できるわけではないことは年頭に置いておきましょう。

デメリット②金利手数料がかかる

デンタルローンは、クリニックが治療費を立て替えてくれるというメリットがある一方、ローンであることに変わりありません。
クレジットカードやカードローンに比べると金利は低いものの、デンタルローンにも金利手数料がかかります。

金利手数料を抑えるには、できるだけ返済期間を短くしたり、借入元本を減らしたりする工夫が肝要です。

デメリット③すべてのクリニックで使えるとは限らない

利便性の高いデンタルローンですが、すべてのクリニックで利用できるわけではありません。
デンタルローンを申し込めるのは、取り扱っているクリニックだけです。

デンタルローンを扱っていないクリニックで治療を受ける場合は、銀行などでデンタルローンを申し込むか、クレジットカードの分割払いやフリーローンでの支払いになります。
ただし、これらの金利はおおよそ15%前後なのでデンタルローンより大幅に高くなることを覚悟しなければなりません。

どうしてもデンタルローンを利用したい方は、取り扱っているクリニックのなかから治療先を見つけてみてはいかがでしょう。

デンタルローンの審査通過率を高める方法

デンタルローンの審査基準は公表されていないので、性格にはわかりません。
しかし、返済能力が怪しいとみられる人は、ローンに通りにくいことは類推できます。
ここからは、審査にどうすれば通るのか、おすすめの申し込み方法などを解説します。

勤続年数を積む

勤続年数が短いと、返済能力が低いと判断され、審査に通りにくくなります。
一般的には、2年以上の勤続年数が良いとされ、勤続年数が長ければ長いほど、返済能力があると判断されます。
もし、勤続年数が2年未満であったら、2年以上働いてからデンタルローンに申し込みましょう。

他社のローンを完済する

他者から借り入れている場合も、審査に落ちる可能性が高まります。
また、他社からの借り入れだけでなく、借入できる金額を超えてしまっている場合もその例です。
いずれにしても、現在抱えているローンを完済してからの申し込みをおすすめします。

なお、ローンの借入金額は、年収の3分の1までと定められています。
返済情報が反映されるまでに時間がかかるため、デンタルローンを申し込むのであれば、ほかのローンの完済後、2か月程度様子を見てからにしましょう。

保証人や承諾書を用意する

審査に通りにくいとされる専業主婦や学生、フリーターの方は特に、保証人を立てたり、配偶者や親の承諾書を用意したりといった対策を講じましょう。
そのすることで、返済能力が認められ、デンタルローンの審査に通過しやすくなります。

インプラント治療の費用を抑えられる制度

保険適用外のインプラント治療の費用を少しでも抑えるには、金利が有利なデンタルローンを利用して分割払いの負担を減らすほか、以下の制度に頼るのも一案です。
それぞれ、確認していきましょう。

医療費控除

デンタルローンを利用しても、医療費控除の対象であれば控除を受けることができるので、確定申告をして節税につなげましょう。

1年間に10万円以上の医療費を支払った場合に、所得税から医療費を控除できる医療費控除を確定申告の際に申請すれば、医療費控除額に所得税率をかけた還付金が受け取れます。また、翌年の住民税も減額の対象です。

医療費控除の対象には、治療費にくわえ通院で利用した公共交通機関の交通費も含まれます。
医療費の領収書と交通系ICカードの利用履歴は、きちんと保管しておきましょう。

医療費控除の条件については「インプラントの治療に使える「医療費控除」とは何ですか?」をご覧ください。

高額療養費制度

1か月あたりの医療費が一定額を超えた場合、超えた分を還付してもらうことができるのが「高額療養費制度」です。

健康保険適用外のインプラント治療は、残念ながら高額療養費制度の対象には該当しません。
ただし、事故や先天性疾患などにより保険診療でインプラント治療を行った場合は、一定の金額を超えていれば制度を利用することができます。

インプラントとは

インプラント治療費の分割払いならデンタルローン

いかがでしたでしょうか?

デンタルローンを利用できれば、高額なインプラント治療費も低利での分割払いが可能になります。
利用額を任意に設定したり、支払い回数も自分で決めたりすることができる便利なローンです。
申し込みは治療を行ったクリニックでできますが、デンタルローンを扱っていないクリニックもあります。
また、金融機関による審査を通過する必要があります。

きぬた歯科では、デンタルローンを使ってのインプラント治療も承っております。
インプラント治療を検討するにあたって、費用面がネックになっている方は、お気軽にお申付けください。

この記事の監修者

日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。

日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。

本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。

<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!

<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科

<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia