インプラントの手術後に化膿する原因

インプラントの手術中に患部に細菌が入り込んで感染症を引き起こすと、手術後に化膿が生じてしまいます。

手術では、歯茎を切開してインプラント体という人工の歯根を埋入するので、その際に歯茎とインプラント体のあいだに細菌が入り込むと、感染症を引き起こすリスクがあります。
歯科医院では、細菌感染が起きないように衛生管理を徹底していますが、それでも細菌が入り込む危険性は完全には避けられません。

手術後のセルフケアを正しく行わなかった場合も、患部の化膿につながります。
インプラント手術直後は異常が見られない場合でも、ブラッシングなどのセルフケアを怠ると口内環境が不衛生になり、感染症を引き起こしてしまうからです。

また、口内全体の不衛生な状態が続くと、歯周病に似た「インプラント周囲炎」を発症するかもしれません。
インプラント周囲炎を放置すると、患部だけではなく、インプラント周辺の歯茎からも膿が出てくるようになります。

インプラントの手術後に患部が化膿した際の対処法

化膿の症状は、適切な処置を施せば改善できるので、インプラントに少しでも違和感があったら、治療を受けた歯科医院を受診してください。

化膿してしまった歯茎は、治療しないと状態はよくなりません。
そのまま放置すれば、化膿だけでなく炎症が起きる可能性や、痛みが悪化するリスクがあります。
最悪の場合、歯茎にダメージが与えられるだけではなく、顎の骨がやせ細ってしまい、インプラントを除去しなければなりません。

すぐに受診できない場合は、うがいやブラッシングで口内をできるだけ清潔に保ちます。
また、食事の際は患部での咀嚼を避け、口内への刺激が強い食べ物を控えると、患部への負担を減らせます。

インプラントの手術後に患部が化膿するリスクを抑える方法

インプラント手術後に患部が化膿するリスクを抑えるには、入念なセルフケアが大切です。

インプラントの周辺だけでなく、口内全体を清潔に保てていれば、細菌感染は起きにくくなるので、ブラッシングの際は歯の表面や裏側、咬合面を丁寧に磨きましょう。
歯と歯のあいだを磨くには、デンタルフロスや歯間ブラシなど、市販されているアイテムも活用します。

また、セルフケアにくわえて、1~3か月に1回程度のペースを目安に、歯科医院でのメンテナンスを受けてください。
歯垢・歯石などの汚れを個人で取り除くことは難しく、口内に汚れが溜まっていると、患部が化膿するリスクが高まるからです。

歯科医院のメンテナンスでは、専用の機械による歯のクリーニングを受けられます。
歯科衛生士や歯科医師といったプロが行うので、厄介な歯垢・歯石や、セルフケアで残ってしまった汚れなども除去できます。

このように、インプラントは治療完了後も継続的なケアが欠かせません。
セルフケアと定期的なメンテナンスの両方をきちんと行っていれば、化膿やインプラント周囲炎などの症状の予防につながります。

メンテナンスについては「インプラントはメンテナンスが必要なのでしょうか?」をご覧ください。

インプラントとは

インプラント手術後に患部が化膿してしまったらすぐに歯科医院へ相談しよう

いかがでしたでしょうか?

患部に細菌が入り込んだ場合や、正しいセルフケアを行わなかった場合、インプラント手術後に患部が化膿することがあります。

インプラント手術後に患部が化膿したら、できるだけ早く歯科医院を受診します。
そのまま放置すれば、化膿だけでなく炎症が起きる可能性や、痛みが悪化するリスクがあるからです。

セルフケアと歯科医院でのメンテナンスの両方をきちんと行えば、化膿やインプラント周囲炎などの症状の予防につながります。

きぬた歯科では、インプラント治療だけでなく、手術後のメンテナンスも患者様に合わせて行っております。
インプラント治療後のトラブルでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。

日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。

本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。

<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!

<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科

<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia