インプラントとは?
インプラント治療とは、欠損した歯の代わりに埋め込まれる人工歯のことです。
欠損した歯の部分にある、あごの骨に対してインプラント体と呼ばれる金属製の歯根を埋め込むのですが、その上に人工歯が取り付けられているような構造になっています。
なお、インプラント体は人の身体に馴染みやすいチタンという物質でできているため、安定さえすれば天然の歯と同じように食べ物を噛めるようになるでしょう。
ここからは、インプラントの主な特徴を3つ紹介します。
特徴①審美性が高い
インプラントの特徴の1つとして、入れ歯やブリッジなどほかの人工歯よりも自然な仕上がりになるため見た目が美しい、つまりは審美性が高いことが挙げられます。
審美性の高さの秘訣は、インプラントの色を治療する人の歯の色に極限まで近づけられる点、そして治療後も変色しにくい点にあります。
つまり、インプラントには見た人に違和感を与えない、自然な見た目に仕上げられるという特性があるといえるでしょう。
特徴②長持ちする
インプラントは10~15年程度の寿命があり、長持ちすることも特徴として挙げられます。
入れ歯の場合は4~5年程度、ブリッジの場合は7~8年程度がおおよその寿命の目安とされているため、インプラントのほうが長持ちします。
ただし、インプラントは治療後も数か月に一度歯科医院にてメンテナンスを行わないと劣化してしまい、寿命を短くしてしまうので注意が必要です。
そのため、定期的なメンテナンスに訪れる必要性があるということは押さえておきましょう。
特徴③咀嚼しやすい
咀嚼しやすいこともインプラントの特徴です。
インプラント体に使われているチタンは身体に馴染みやすいため、周囲の骨が新たに生成されると、インプラント体と生成された骨ががっちりと固定されるようになります。
そうなると、新しく取り付けたインプラントは周囲の歯と同じように機能し、違和感なく咀嚼できるようになるのです。
入れ歯とは?
入れ歯とは、歯を欠損したときに用いられる、取り外し可能な人工歯のことです。
入れ歯の種類には、上下どちらかの歯をすべて欠損している場合に使われる総入れ歯と、欠損した部分だけに対して使われる部分入れ歯があります。
ここからは、入れ歯の特徴を2つ紹介します。
特徴①保険が適用される
入れ歯の特徴の1つに、治療には保険が適用されるということが挙げられます。
正確にいうと、すべての入れ歯治療に対して保険が適用されるわけではありませんが、入れ歯に使われる材質によっては保険の適用範囲内になります。
一方で、インプラント治療は自由診療に該当し、保険が適用されません。
そのため、入れ歯治療はインプラント治療と比較すると、費用を抑えて治療できるということがメリットに感じられるでしょう。
ただし、保険の適用範囲内で作られる入れ歯は劣化しやすかったり、装着感がよくなかったりする傾向があります。
より精巧な入れ歯を手に入れるためには、保険が適用されない高額な入れ歯治療を受ける必要があるので、注意が必要です。
特徴②短期間で治療できる
短期間で治療を終えられることも入れ歯の特徴の1つです。
総入れ歯と部分入れ歯、どちらの場合でも入れ歯の制作にかかる期間は1か月程度です。
インプラント治療の期間は3~12か月のため、それを踏まえると入れ歯治療は比較的短期間で終えられます。
早期に治療をしたいという方には入れ歯治療が適しているといえるでしょう。
インプラントと入れ歯の違い
インプラントと入れ歯は、どちらも失った歯の機能を補うものではありますが、費用や見た目など、さまざまな部分で違いがあります。インプラントと入れ歯、どちらにするか迷われている方は、参考にしてみてください。
①費用による違い
インプラントは、ほとんどの場合保険適用外となるため、費用は全て自己負担となります。1本あたり40~50万円ほどかかるとされており、経済的な負担は決して小さくありません。
一方、入れ歯の作成には保険が適用されます。医療費負担が3割の場合、部分入れ歯であれば5,000~2万円ほど、総入れ歯であれば1~3万円ほどで作ることができます。
ただし、金属バネを使用しない、プラスチック以外の素材を使うといった場合は保険適用外になるため、インプラントと費用が変わらないこともあります。
②見た目(審美性)の違い
インプラントの上部構造と呼ばれる人工歯の部分には、セラミックやジルコニアなどが用いられます。見た目は天然歯とほぼ変わらず、歯の色合いも患者様に合わせて調整できるため、前歯のような目立つ場所でも違和感がありません。
一方、保険適用の入れ歯はプラスチック製で、天然歯とは見た目に違いがあります。また、部分入れ歯の場合、金属のバネ(クラスプ)が見えてしまうこともあり、口を開けて笑ったり、話したりする時に気になる、という方も少なくありません。
③耐久性の違い
インプラントは比較的耐久性が高く、10~15年残せる確率は90%以上とされています。きちんとメンテナンスを行えば、さらに長く使うことができるでしょう。
プラスチック製の入れ歯は、インプラントと比べると耐久性が低く、歯ぎしりや経年劣化により、摩耗したり破損したりすることがあります。作り替えの目安は、一般的に3~5年程度と言われています。
④治療期間の違い
インプラントは、さまざまな検査を経て手術を行います。埋め込んだインプラント体が骨と結合するまでには、少なくとも3か月~半年はかかりますので、トータルの治療期間は半年~1年が目安です。歯や骨の状態によっては、インプラントを埋め込む前に別の治療が必要になることもあり、その場合はさらに長くなります。
他方、保険診療の入れ歯は約3週間~1か月で完成します。オーダーメイドの場合は、3か月ほどかかることもあります。
⑤咀嚼のしやすさの違い
インプラントと入れ歯を比較すると、咀嚼のしやすさはインプラントのほうが優れていると言えます。
インプラントは、あごの骨に人工歯根が埋め込まれているため、自分の歯に近い感覚で噛むことができ、咀嚼力もほとんど変わらないとされています。
入れ歯は安定感という点で劣り、咀嚼力は天然の歯の半分以下と言われています。特に、硬いものを食べた時は違和感を抱きやすいでしょう。
インプラントと入れ歯はどちらを選べばよい?
欠損してしまった歯をインプラントにするか、入れ歯にするか迷われている方も多いでしょう。
両者は、費用面や見た目の美しさ、耐久性、治療期間、咀嚼のしやすさなどさまざまなポイントが異なるため、ご自身に合ったものを選ぶことをおすすめします。
以下に、インプラントと入れ歯の特徴を比較したものを表にまとめました。
インプラントと入れ歯の比較表
費用面 見た目の美しさ 耐久性 治療期間 咀嚼のしやすさ
インプラント 高い きれい よい 長い しやすい
入れ歯 安い 悪い 悪い 短い しにくい
見た目の美しさや耐久性、咀嚼のしやすさなど、天然の歯と同質の仕上がりを求める場合はインプラントを選ぶとよいでしょう。
一方で、費用を抑えて治療したい場合や早期に歯を治したい場合など、治療の効率性を重視したい方には入れ歯がおすすめです。
インプラントは入れ歯よりも審美性が高いが費用がかかる
いかがでしたでしょうか。
インプラントは審美性が高く、長持ちし、そして咀嚼しやすいというメリットがある一方で、治療を行うためにはそれなりに費用がかかることがデメリットになります。
一方の入れ歯に関しては、比較的安価に、そして短期間で治療できるというメリットがありますが、見た目や耐久性はインプラントに劣るというデメリットがあります。
それぞれの特徴をしっかりと把握し、ご自身に合った治療を選びましょう。
きぬた歯科は国内最高レベルの治療実績を備えた歯科医院です。
インプラント治療をしてみたいという方は、きぬた歯科までご相談ください。
この記事の監修者
日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。
日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。
本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。
<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!
<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科
<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia