インプラント治療ができないケースと対処法

インプラント治療ができないケースはさまざまです。
ある程度期間を空けないといけないのか、対策すれば治療は可能なのか、以下の表にまとめました。

インプラント治療できないケース 対処法
18歳以下の場合 成人してからの治療を推奨
妊娠中の場合 出産後に治療計画を立てる
持病がある場合 持病を安定させ歯科医と十分相談した上で判断する
虫歯や歯周病がある場合 虫歯や歯周病を完全に治療し、口腔内の健康を取り戻す
骨密度が低い場合 骨造成やサイナスリフト、ソケットリフトなどを併用する
麻酔を使用したくない場合 麻酔方法を歯科医と相談して決める
メンテナンスに通えない場合 他の治療方法を検討する
喫煙者である場合 禁煙する

ここからは、インプラント治療ができない状況と対処法について、具体的に見ていきましょう。

ケース①18歳以下の場合

18歳以下の未成年に対してインプラント治療するのは、通常推奨されません。
未成年の間はまだ顎や骨が成長段階にあるため、インプラントを埋め込むことで成長に悪影響を与える可能性があるからです。

特に顎の骨が未発達な場合、インプラントが正しく定着しないリスクも高くなります。
そのため、骨の成長が安定してからの治療が望ましいでしょう。

対処法

インプラント治療を考えている未成年の場合、まずは顎の成長がどの段階にあるか、歯科医師による精密な検査が必要です。
成長が完了しているかどうかの判断は専門的な診断を通じて行われますが、一般的には成人してから治療を検討するのが理想的です。

急ぎの治療が必要な場合は、他の治療法を提案されることもあります。

ケース②妊娠中の場合

妊娠中の女性にはインプラント治療は推奨されません。
インプラント治療には手術が伴うため、妊娠中の母体に過度な負担をかけるリスクがあるだけでなく、術後の回復期間中にストレスが増すこともあります。

さらに、妊娠中はホルモンバランスが変動し、体全体が非常に敏感な時期であるため、手術のリスクが高まるのです。

対処法

妊娠中はインプラント治療を避け、出産後に計画を進めるのが一般的です。
出産直後は母体の健康状態や生活が落ち着いていないため、体調が安定した時期に治療を再検討してみてはいかがでしょうか。

出産後の回復を優先し、歯科医師と十分に相談した上で、適切なタイミングで治療を開始しましょう。

ケース③持病がある場合

糖尿病や高血圧などの慢性的な持病がある場合、インプラント治療は慎重に判断されます。
特に糖尿病は、体全体の免疫力や治癒力を低下させるため、インプラント手術後の回復が遅れたり、感染症のリスクが高まる可能性があるのです。

また、高血圧は手術中の出血量を増やし、術後の回復にも影響を与えることが懸念されます。

対処法

インプラント治療を受ける前に持病の状態を理解し、安定した状態にしなければいけません。
持病がコントロールされている場合でも、歯科医師と十分に相談し、治療のリスクを最小限に抑えるための対策が必要です。

完治が難しい場合でも、正しい薬の服用や医師の指示に従うことで、インプラント治療の適応が可能になる場合もあります。

ケース④虫歯や歯周病がある場合

口腔内に虫歯や歯周病がある場合、インプラント治療はリスクが高いため推奨されません。
歯周病は、歯を支える骨や歯肉に炎症を引き起こし、骨の健康を損なう疾患です。
この状態では、インプラントが適切に固定されるための土台が不足してしまいます。

また、虫歯があると口腔内の衛生状態が悪く、インプラント周囲に感染が広がるリスクが高くなります。
そのため、これらの疾患がある場合は、まず治療を優先しなければいけません。

対処法

インプラント治療前に、虫歯や歯周病を完全に治療し、口腔内の健康を取り戻すことが最優先となります。
歯科医師による適切な治療と指導を受け、健全な歯肉と骨を取り戻してからインプラントを進めれば、手術の成功率が大幅に向上するでしょう。

健康な口腔環境を確保するのが、インプラントの長期的な安定性にもつながります。

ケース⑤骨密度が低い場合

骨粗鬆症などで骨密度が低い場合、インプラント治療が困難になることがあります。
インプラントは顎骨に直接固定するため、十分な骨量と質が必要です。

骨密度が不足していると、インプラント体がしっかりと固定できず、長期的な安定性が損なわれる可能性が高くなるのです。

対処法

骨密度が低い方でも、インプラント治療を進める方法はいくつかあります。
代表的な方法の一つは骨造成です。
骨造成によって、インプラントを固定するために必要な骨の量や質を補い、フィクスチャーの安定性を確保します。
また、サイナスリフトやソケットリフトなど、骨を補強するための特殊な手術を併用することも可能です。

これらの手術により、インプラント治療が可能になるかもしれません。

ケース⑥麻酔を使用したくない場合

インプラント治療は外科手術を伴うため、麻酔の使用が必須となります。
しかし、麻酔に対して不安を抱える方や、できるだけ麻酔を避けたいと考えている方も少なくありません。

麻酔が必須である以上、完全に麻酔を避けることはできませんが、痛みを最小限に抑える方法は存在します。

対処法

麻酔に対する不安を軽減するために、さまざまな種類の麻酔法が用意されています。
局所麻酔を使用して痛みを感じないようにするのが一般的ですが、場合によっては軽い鎮静を行う方法も。

インプラント治療を受ける際は、カウンセリングの段階でどの麻酔が最適か、またどのようにして不安を軽減できるかを歯科医師と相談しましょう。

ケース⑦メンテナンスに通えない場合

インプラント治療を受けた後は、定期的なメンテナンスが非常に重要です。
インプラントは天然の歯と異なり、歯肉や骨としっかりと結合しているため、手術後の定期的な検診やクリーニングが不可欠なのです。

メンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎や骨吸収といった深刻な問題が発生し、インプラントが脱落するリスクが高まります。
定期的に歯科医院に通えない場合、インプラントの寿命は大幅に短くなる可能性があるため、慎重に検討してください。

対処法

インプラント治療を検討している方は、メンテナンスの重要性を十分に理解し、治療後も継続的に通院できるかどうか確認しましょう。
もし定期的に通うことが難しい場合、インプラント以外の治療方法を検討するのも一つの選択肢です。

例えば、ブリッジや義歯などは、インプラントと比較してメンテナンスの負担が少なく、通院の頻度を減らせます。
歯科医と相談し、ライフスタイルに合った最適な治療法を見つけましょう。

ケース⑧喫煙者である場合

喫煙者は、インプラント治療においてリスクが高まるケースの一つです。
タバコに含まれる化学物質が、血液循環や免疫機能に悪影響を及ぼし、インプラント手術後の回復を遅らせるだけでなく、インプラント周囲炎という歯周病を引き起こす可能性があるのです。

インプラント周囲炎が進行すると、フィクスチャーが骨と正しく結合できず、最悪の場合インプラントが脱落することもあります。

対処法

インプラントの成功率を高めるために、最も効果的な対処法は禁煙です。
喫煙を続けることで手術後のリスクが高まるため、インプラント手術前には禁煙を強く推奨されています。

禁煙が難しい場合でも、歯科医師から適切なアドバイスを受け、手術前後の喫煙を控える努力が必要でしょう。
また、禁煙プログラムやサポートを利用することも、治療の成功につながる一歩となります。

インプラント治療ができない場合の治療法

インプラント治療が難しいケースでも、歯を補うためのさまざまな治療法があります。

治療法 特徴
サイナスリフト 上顎の骨が大幅に不足している場合に行う。治療期間が長く、広範囲の骨増生に有効。
ソケットリフト 軽度の骨不足の場合に適用。骨増生とインプラント埋入を同時に行えるため、治療期間が短縮される。
GBR 骨の幅が狭い場合に適用。人工骨を使用して新たな骨を形成する。
入れ歯 欠損した歯を補う取り外し可能な装置。費用を抑えられるが、周囲の歯に負担がかかることも。
差し歯 歯根が残っている場合に、被せ物で補う治療法。歯根が健康なことが条件。
ブリッジ 欠損した歯の両隣の歯を支えにして、人工歯を橋のようにかける。支台歯を削る必要がある。

それぞれの治療法には特徴や適用範囲が異なり、個々の患者の状況に合わせて選択されます。
ここでは、インプラントが難しい場合に行われる代表的な治療法について詳しく説明します。

サイナスリフト

サイナスリフトは、上顎の骨が著しく減少している場合に行われる治療法です。
この手法は、上顎洞(サイナス)という空洞部分に人工骨を補填し、骨量を増やすことで、インプラントを安全に埋入できる土台を作ります。

広範囲にわたる骨再生が可能で、複数本のインプラントを必要とする場合に特に有効。
しかし、治療期間が長くなる場合があり、半年以上かかることもあります。

ソケットリフト

ソケットリフトは、比較的軽度の骨不足がある場合に用いられる方法。
1本の歯を補う場合など、狭い範囲での骨増生が必要な場合に効果的です。

元々歯が生えていた部位から骨補充材を注入しながら、同時にインプラントを埋入できるため、治療期間が短縮されるのが特徴です。
通常、治療完了までに約3〜4ヶ月がかかりますが、広範囲な骨造成には対応できません。

GBR

GBR(骨組織誘導再生法)は、骨の幅が不足している場合に有効な治療法です。
人工骨や特殊な膜(メンブレン)を使用して骨を誘導し、新たな骨組織を形成することで、インプラントを支えるための十分な骨を得られます。

骨の幅が狭くインプラントが固定できない場合に用いられることが多く、適切な骨量を確保してインプラントの成功率を高めます。

入れ歯

入れ歯は、歯が欠損している箇所を補うための一般的な治療法です。
部分入れ歯の場合、金具を残っている歯に引っ掛けて固定し、全体を補えます。

自費診療ではより精密で快適な入れ歯を作成することも可能ですが、保険適用であれば費用を抑えられるでしょう。
入れ歯は取り外し可能ですが、金具がかかる歯に負担がかかりやすく、清掃が不十分だと口腔内の衛生状態が悪化するリスクもあるため、注意が必要です。

差し歯

差し歯は、歯根が健康で残っている場合に適用される治療法です。
歯根が残っている場合、その上に被せ物をすることで歯の機能を回復させます。

インプラントとは異なり、歯根があることが条件となりますが、適切に治療すれば噛む力や見た目も回復可能。
抜歯を宣告される前に、差し歯が可能かどうかセカンドオピニオンで確認するのもおすすめです。

ブリッジ

ブリッジは、欠損した歯の両隣の健康な歯を支台として利用し、その間に人工歯を橋のように架ける治療法です。
1本から2本程度の歯の欠損に適用され、噛み合わせの負担を周囲の歯に分散させられます。

しかし、支台となる歯を削る必要があり、それが長期的な歯の健康に影響を与える可能性があります。
また、多くの歯が欠損している場合は適用できないことが多いです。

インプラント治療するときはまず歯科医に相談しよう

いかがでしたでしょうか。インプラント治療ができないケースについておわかりいただけたかと思います。

18歳未満や妊娠中の方、持病がある方など、特定の条件では治療が難しい場合がありますが、正しい対処法で治療が可能になる場合もあります。
「インプラント治療に興味があるけど、できるか不安」と心配の方は、まずは歯科医に相談してみましょう。

きぬた歯科は豊富な治療実績を持ち、患者様一人ひとりに合った治療計画を提案しています。
費用や治療内容についてもご相談いただけますので、ぜひお問い合わせください。

関連記事:「インプラントは絶対だめ」と言われる理由は何ですか?

きぬた歯科のこだわり

これまで多くの患者さまの歯の健康を取り戻してきたきぬた歯科ですが、安全で安心なインプラント治療を提供するために、こだわりをもって医院運営を行ってきました。

一例ではありますが、きぬた歯科のこだわりを紹介します。

リスクを排除した安心できる治療計画

きぬた歯科では、自信をもって安全といえる治療方法のみをご提案しております。

インプラント治療には、「オールオン4」や「即時荷重」など、様々な治療方法がありますが、
通常のインプラントと比較をすると、決して安全とは言えません。

きぬた歯科では、治療のリスクを排除し、患者数に安心頂ける治療のみをお届けいたします。

治療前の症例検討会

きぬた歯科では、手術前に複数の医師による症例チェックを実施しています。

当院には現在13名の常勤歯科医師が在籍しておりますが、全員がインプラント治療をマスターしたエキスパートです。きぬた歯科として万全の治療を提供できるよう、各患者様の治療方法にリスクがないかを確認しています。

世界シェア一位のインプラントを使用

きぬた歯科では、世界シェア一位のインプラントメーカーである『ストローマン』を使用しています。

日本で流通しているインプラントメーカーは50種類以上あると言われていますが、そのなかでも日本人のあごに適した形状であり、日本国内で多くの医師から選ばれている製品です。
また、従来のインプラントよりも骨との結合が早く、最短6週間で骨と結合するのも特徴です。

衛生環境にこだわった院内設備

きぬた歯科は、より専門的な治療を提供できるよう、一般歯科クリニックとは別にインプラント治療専門の施設を2000年に作りました。

インプラント治療は外科手術を伴うため、衛生的な環境が求められます。
米国連邦規格クラス1,000(JIS規格クラス6)に準拠した治療室を3室完備していますが、この規模の治療室を持つ歯科医院は、日本全国でもほとんどありません。

また、最新の設備だけではなく、患者様がリラックスしてお待ち頂ける空間づくりにも配慮しております。

きぬた歯科のインプラント治療費用

高額なイメージのあるインプラント治療ですが、患者さまのお口の状態を診させていただき、ご予算に合わせた最適な治療プランを提案しております。

複数本の歯が欠損していた場合、単純な1本あたりの費用を掛けた金額よりも安くなることもありますので、まずはお気軽にご相談いただければと思います。

<インプラント1 本あたりの費用>

プラスチック・銀歯 32万円(税込)
ハイブリッド 37万円(税込)
セラミック 43万円(税込)

なおきぬた歯科では、患者さまがより健やかに歯の健康を維持できるよう、以下の費用を全て無料で提供しております。

  • インプラント後の定期健診代
  • 10年の保証期間
  • 最先端機器によるCT撮影
  • NASA基準[クラス1000]のクリーンルーム内での治療
  • 腫れを最小限に抑える技術

お支払い方法について

きぬた歯科では、インプラント治療の費用を以下の方法でお支払いいただけます。
デンタルローンのお支払いにも対応しておりますので、詳しくは来院時にお問い合わせください。

  • 現金
  • クレジットカード(ジャックスカードのみ)

保証制度について

ストローマンインプラントの治療を受けた方には、無料で10年間の保証期間を設けております。
また、保証期間内であれば6か月に1度の定期健診も無料で受けることもできます。
インプラント治療完了後も、ご満足いただけるようサポートいたします。

インプラント治療をお考えの方は、きぬた歯科までご相談ください。
最先端の技術と良心的な価格で、患者様の理想の歯に仕上げます。

この記事の監修者

日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。

日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。

本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。

<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!

<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科

<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia