インプラント治療でセカンドオピニオンを受ける重要性

セカンドオピニオンとは、治療方法が難しい場合や長期化する病気になった場合などに、治療方法を深く理解して自分に合った選択をするために受けるものです。
虫歯や歯周病の治療などの一般的な診療内容であれば、セカンドオピニオンを受けずに治療を始めても大きな問題はありません。

しかし、インプラント治療は専門性が高い治療であり、歯科医院によって診断や治療の技術に差が生じます。
そのため、主治医の診断だけではなくほかの歯科医院の意見を聞き、主治医の診断が本当に正しいのかを判断して、納得できる治療方法であるのかということを考えましょう。

また、多くの場合、インプラント治療を行う前には神経の位置や骨の状態を把握するために、歯科用CTで撮影を行います。
もし、主治医が歯科用CTを使用せずに治療を始めようとした場合、診察が正確に行われていないことも考えられます。
長年の経験により熟練した知識や技術を持っているため、歯科用CTを使わないといったケースもありますが、それを患者様が判断することは難しいでしょう。

治療を行ってから後悔することがないように、少しでも気がかりな点があれば、セカンドオピニオンを受けることがおすすめです。

インプラント治療でセカンドオピニオンを受けるメリット

インプラント治療は、専門性が高く費用も高額であるため、治療を行う前にセカンドオピニオンを受けて、さまざまな歯科医院の意見を聞く方が多くいらっしゃいます。
以下にて、セカンドオピニオンを受けることで得られる3つのメリットを紹介します。

メリット①インプラント治療への理解を深められる

インプラント治療は、一般的な歯科治療と比べて治療方法が複雑です。
そのため、主治医から正しい診断を受けたとしても、自分のなかでしっかりと理解できずに疑問が生じることもあるでしょう。

そのような場合、セカンドオピニオンを受けてほかの歯科医院の意見を聞くことで、治療への理解を深められます。

治療の内容をより深く理解し安心して治療を行えるという点は、セカンドオピニオンのメリットの1つです。

メリット②複数の歯科医院の保証制度や治療費を比較できる

インプラント治療は自由診療であるため、歯科医院によって保証制度や治療費が異なります。
セカンドオピニオンを受けると、複数の歯科医院の保証制度や治療費を把握できるので、必要な保証や適正な治療費を判断できるでしょう。

ほかの歯科医院のほうがしっかりとした保証制度があり、費用も安いという場合もあるため、セカンドオピニオンで複数の歯科医院の話を聞くことは大切です。
治療方法も詳しく聞いたうえで、自分に合った歯科医院を選びましょう。

メリット③さまざまな選択肢のなかから納得のいく治療方法を選べる

インプラント治療は 、歯根の残っていない箇所のあごの骨に人工の土台を埋め込み、その上に人工歯を取り付けるという治療方法です。

そのため、あごの骨や歯の状態によっては「インプラント治療が難しい」「抜歯をしなくてはならない」と主治医から診断されるケースもあるでしょう。
しかし、セカンドオピニオンを受けたときに、ほかの歯科医院ではインプラント治療を受けることが可能で、なおかつ抜歯をする必要もないと判断される場合もあります。

このように、歯科医師の知識や技術によって治療方法が異なることがあるので、主治医の判断だけでインプラント治療を諦める必要はありません。
セカンドオピニオンを受けることで治療の選択肢が広がるので、自分の納得できる選択をしましょう。

インプラント治療のセカンドオピニオンの注意点

セカンドオピニオンを受ける際に、注意しておきたい点をチェックしましょう。

まず、セカンドオピニオンを受けられるのは、原則として治療を受ける本人のみです。ご家族など、患者様以外の方が希望される場合、本人の同意書が必要になったり、歯科医院によっては受けられなかったりすることもあります。また、医療保険の適用外となるため、金額は医療機関により異なります。事前にセカンドオピニオンの料金を確認しておくことをおすすめします。

セカンドオピニオンは、患者様が納得のいく診療を受けるために必要なことです。主治医が書類の準備を渋るなど、セカンドオピニオンに反対するような様子がみられた場合は、その歯科医院での治療はあまりおすすめできません。

また、セカンドオピニオン先の歯科医院でも、すぐに転院を勧めてくる、値段の安さをアピールする、早期に治療を始めるようそそのかす、不安をあおってくる、といったケースがみられます。相談をきちんと聞いてもらえないと感じたら、別の歯科医院でセカンドオピニオンを受け直したほうがよいかもしれません。説明を受ける中でわからない点はその都度確認し、納得のいく説明をしてもらいましょう。何よりも、自分が信頼できると感じた歯科医院を選ぶことが大切です。

セカンドオピニオン受ける前に行うとよい準備

インプラント治療でセカンドオピニオンを受ける場合、何も準備をしない状態で受けてしまうと、歯科医師から納得のいく話を聞けない可能性があります。
そのため、事前に以下のような準備を行ってから受けるようにしましょう。

準備①不安な点を明確にする

セカンドオピニオンを受ける前に、不安な点は何かということを明確にしておきましょう。
不安な点がわかっていないと、ほかの歯科医院に意見を求めたところで、また同じような不安が生じてしまうことが考えられます。

また、セカンドオピニオンを行う歯科医院側も、どこから説明したらよいのかがわからずに、お互いに戸惑ってしまうでしょう。
このような事態を防ぐためにも、主治医の診断を受けて不安に感じた点を事前にまとめておくことがおすすめです。

準備②セカンドオピニオンを受けたい旨を主治医に伝える

セカンドオピニオンを受ける場合は、主治医にその旨を伝えておくことが大切です。
なぜなら、主治医に伝えることで、セカンドオピニオンに対応している歯科医院の紹介状や、診断に用いたレントゲン写真を提供してもらえる可能性があるからです。

紹介状やレントゲン写真をもらえれば、自分で歯科医院を探して予約する手間や、ほかの歯科医院で現在の歯の状態を説明する手間を省けます。

主治医に「セカンドオピニオンを受けたい」と言い出しづらいかもしれませんが、歯科医師はセカンドオピニオンの重要性を理解しているため、遠慮せずに伝えましょう。

準備③セカンドオピニオンに対応している歯科医院を予約する

すべての歯科医院がセカンドオピニオンに対応しているわけではないため、事前にセカンドオピニオンを受けつけている歯科医院を探し予約しておきましょう。
また、予約をするときは、セカンドオピニオンを求めている旨を伝えておくことで、スムーズに受けられます。

歯科医院によっては、無料でセカンドオピニオンに対応してくれるところもあるので、よく確認してから予約することをおすすめします。

セカンドオピニオンとは受診した歯科医院と異なる医院に意見を求めること

いかがでしたでしょうか?

セカンドオピニオンとは、治療方法について最初に受診した歯科医院とは異なる医院に、意見を求めることです。
セカンドオピニオンを受けることで、治療への理解をより深められ、複数の歯科医院の保証制度や治療費などを比べることもできます。

インプラント治療は専門性が高く複雑な治療であるため、セカンドオピニオンを受けて、治療の内容を理解したうえで納得のいく選択をすることが大切です。

きぬた歯科は、年間3,000件以上のインプラント施術の実績を持つ歯科医院です。
セカンドオピニオンも行っているため、インプラント治療の詳しい内容を知りたいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。

日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。

本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。

<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!

<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科

<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia