インプラントの寿命の目安

インプラントの平均寿命は、10~15年程度です。
入れ歯は3~5年程度、ブリッジは5~7年程度なので、インプラントがいかに耐久性に優れているかがわかります。

ただし、この年数はあくまでも目安であり、手術から3年ほどで脱落する場合もあれば、40年以上使える場合もあります。

インプラントの寿命については「インプラントの寿命はどれくらいなのでしょうか?」をご覧ください。

インプラントがダメになる原因

インプラントがダメになる最たる原因は、口内環境の悪化です。
口内環境を気にかけず、虫歯や歯周病になると、インプラントを支える歯茎(顎の骨)が弱り、寿命が短くなってしまいます。

また、インプラントの手術後に、細菌が傷口に侵入すると「インプラント周囲炎」という歯周病に似た炎症性の疾患を発症することもあります。
症状が進行すると、歯茎に痛みや腫れが生じるだけでなく、最悪の場合、インプラントの脱落にもつながりかねません。

インプラントがダメになった場合の対処法

虫歯や歯周病の放置が、インプラントの寿命を縮めてしまうということを押さえたうえで、ここからはインプラントがダメになった場合の対処法を解説します。
インプラントが脱落、もしくは患部に痛みや腫れが生じた場合には、これから紹介する方法を講じてください。

方法①抗生剤の使用や入念なブラッシングで口内をケアする

口内環境が悪化すると、インプラントの寿命は短くなります。
虫歯や歯周病が初期段階であれば、抗生剤の使用、あるいは入念なブラッシングにより、症状が改善・緩和できる可能性があります。

ブラッシングを徹底しても口内環境が改善されない場合は、速やかにクリニックを受診しましょう。

方法②インプラントの再手術を受ける

入れ歯と違い、インプラントは医師でなければ埋入できないので、もし脱落してしまった場合には、再手術を受けなければなりません。

また、インプラントが脱落していなくとも、虫歯や歯周病が重症化するとインプラントがぐらつくこともあります。
このような場合も、インプラントを除去したうえで再手術が必要です。

方法③入れ歯治療やブリッジ治療を受ける

インプラントの手術後に、インプラント体が周囲の組織を圧迫したり、歯茎が痩せてしまったりするケースも起こりえます。

その結果、「インプラント手術を受けられないほど、歯茎の状態が弱っている」と診断された場合には、入れ歯治療やブリッジ治療を受けることも一案です。

インプラントをダメにしないための予防方法

ここからは、インプラントの延命に役立つ方法を紹介します。
インプラントを末永く使うために、以下で挙げるポイントを押さえておきましょう。

方法①歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける

インプラントを長期的に使いたいのであれば、入念なセルフケアはもちろんですが、歯科医院でも定期的にメンテナンスを受けましょう。
目安として、3~4か月に1回はクリニックに通院してください。

メンテナンスでは、インプラントや歯茎に異常がないかの状態のチェックだけでなく、セルフケアでは落とせない歯垢や歯石も除去してもらえます。
異常が確認された場合には、そのまま治療を受けられるので、口内の健康維持にも役立ちます。

インプラント治療後のメンテナンスについては「インプラントはメンテナンスが必要なのでしょうか?」をご覧ください。

方法②生活習慣や癖を改善する

生活習慣や癖の改善も、インプラントの延命につながります。
口内環境を悪化させる可能性があるので、以下の生活習慣は、早めに改善しておきたいところです。

口内環境を悪化させる可能性がある生活習慣や癖の一例

  • 過度の飲酒
  • 過度の喫煙
  • 頬杖をつく
  • 歯ぎしり
  • 食いしばり

お酒に含まれているアルコール、タバコに含まれているニコチンやタールなどの成分には、歯茎の免疫力を低下させる作用があります。
適量であれば大きな影響はありませんが、インプラントの寿命を少しでも延ばしたいなら、なるべく控えましょう。

インプラントとは

インプラントは虫歯や歯周病が生じて口内環境が悪化することでダメになる

今回はインプラントがダメになる原因や、対処法をお伝えしました。

入れ歯やブリッジと比較すると、インプラントの寿命は長いものの、口内環境が悪化すると、わずか数年で脱落してしまうおそれがあります。
なお、インプラントの再手術を受けられない場合も、入れ歯治療やブリッジ治療が選択肢として残されています。

インプラントの治療後は、口内環境を清潔に保ちましょう。
歯科医院で定期的にメンテナンスを受け、過度の飲酒や喫煙などを控えりことで、インプラントは長期的に使うことができます。

きぬた歯科ではインプラント治療を実施しております。
歯の機能性を取り戻したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。現在では年間3000本以上のインプラント治療の実績がある。

日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。

本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。

<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!

<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科

<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia