目次

インプラントとは

インプラントとは、失った歯を取り戻すことができる治療方法の一つです。
具体的には、顎の骨に穴を開けてインプラント体とよばれる人工歯根を埋め込み、そのうえに人工歯を取りつけることで、患者の噛む力を取り戻します。

インプラントは入れ歯やブリッジに比べて耐久性や審美性に優れた治療方法であり、しっかりとメンテナンスを行えば10~15年は使用できます。
使い心地も自分の歯と変わらないため、使用中のストレスもほとんどありません。

このように多くのメリットがある一方、インプラント治療は入れ歯やブリッジとは異なり、健康保険が適用されないという難点があります。
また、外科手術が必要な治療方法でもあるため、通常の歯科治療よりも体への負担とリスクが大きく、治療期間も長くかかります。

【インプラントまるわかり一覧表】

インプラント ブリッジ 入れ歯 差し歯
費用 30万~40万円ほど 2~3万円ほど 5,000~2万円ほど 5,000~1万円ほど
保険適用 適用不可 適用可 適用可 適用可
治療期間 6~12か月ほど 1~3か月ほど 1~3か月ほど 1~3か月ほど
寿命 10~15年ほど 7~8年ほど 4~5年ほど 5~10年ほど
噛む力 自分の歯の約8~9割 自分の歯の約6~7割 自分の歯の約2割~4割 自分の歯の約6~7割
審美性 優れている 普通 劣る 普通
手術 必要 不要 不要 不要
周囲の歯への影響 なし 両隣の歯を削る 両隣の歯に留め具を引っ掛ける なし
メリットまとめ ①自分の歯と変わらずに使える
②口内の健康を維持できる
③審美性に優れている
①素材によっては保険適用で安価
②治療期間が短い
③外科手術が不要
①素材によっては保険適用で安価
②治療期間が短い
③外科手術が不要
①素材によっては保険適用で安価
②治療期間が短い
③外科手術が不要
デメリットまとめ ①高額な治療費がかかる
②外科手術を受ける必要がある
③感染症にかかるリスクがある
①比較的寿命が短い
②噛む力が弱い
③両隣の歯を削る
①耐久性が低く、寿命が短い
②噛む力が弱い
③審美性に欠ける
①比較的寿命が短い
②噛む力が弱い
③保険適応外治療になると高額

インプラントの構造

※イメージ図

インプラントは、人工歯(クラウン)・アバットメント・インプラント体(人工歯根)の3つのパーツで構成されています。
一般的に「インプラント」と呼ばれることが多いのは、顎の骨に埋め込まれるインプラント体(フィクスチャー)の部分です。

  • ・人工歯(クラウン):噛む機能と見た目を担う部分で、周囲の歯に合わせた色や形に調整できます。
  • ・アバットメント:インプラント体と人工歯をつなぐ中間の土台で、噛み合わせや高さの調整にも関わります。
  • ・インプラント体(人工歯根):顎の骨に埋め込んで強固に固定される主軸で、チタン製など生体になじみやすい素材が使われます。

これらのパーツが組み合わさることで、天然の歯に近い安定した噛み心地と見た目が再現されます。

インプラントの構造の詳細

ブリッジ・入れ歯・差し歯との違い

インプラント治療のほかにも、失われた歯を取り戻す治療方法としてブリッジや入れ歯、差し歯などを使う方法もあります。
それぞれの違いが分からず、治療方法の選択を迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、下記にてインプラント治療がブリッジや入れ歯、差し歯と異なる点を一覧表にまとめました。
さまざまな点で違いがみられるため、治療において優先したいことを考えながら選ぶとよいでしょう。

インプラント・ブリッジ・入れ歯・差し歯の違い

インプラント ブリッジ 入れ歯 差し歯
噛む力 自分の歯の約8~9割 自分の歯の約6~7割 自分の歯の約2割~4割 自分の歯の約6~7割
周囲の歯への影響 なし 両隣の歯を削る 両隣の歯に留め具を引っ掛ける なし
審美性 優れている 普通 劣る 普通
保険適用 適用不可 適用可 適用可 適用可
手術 必要 不要 不要 不要
治療期間 6~12か月ほど 1~3か月ほど 1~3か月ほど 1~3か月ほど
寿命 10~15年ほど 7~8年ほど 4~5年ほど 5~10年ほど

ブリッジ・入れ歯・差し歯に関する記事まとめ

どんな悩みを持った人がインプラントにするのか

基本的に、インプラント治療は事故や歯周病で歯を失った方や、生まれつき歯がない方が受ける治療です。
失った歯を取り戻す治療方法として入れ歯やブリッジを使うこともできますが、自然な使い心地や審美性を求める方には、インプラント治療がおすすめです。

また、先天性の病気により歯が連続して生えていないという方もインプラント治療を受けることができます。
入れ歯やブリッジは周りの歯を支えにして人工歯を装着する治療方法であるため、インプラントでなければ治療が難しい場合があるのです。

先天性欠如歯について詳しくはこちら

インプラント治療は多くの方に有効な治療法ですが、18歳未満や妊娠中、持病のある方など、特定の状況下では治療が難しい場合があります。

インプラント治療ができるか?気になる方はこちら

インプラント治療のメリット

ここからは、インプラント治療を受ける3つのメリットを紹介します。

メリット①自分の歯と変わらずに使える

1つ目のメリットは、自分の歯とほとんど変わらず、ストレスのない使い心地で噛むことができるという点です。

インプラントは、入れ歯やブリッジに比べると噛む力が天然の歯とあまり変わらないため、ストレスなく食事をとることができます。
また、日ごろのセルフケアを行う際も、ほかの歯と一緒に歯ブラシやフロスを使うだけで済みます。

メリット②口内の健康を維持できる

2つ目のメリットは、口内の健康を維持できるという点です。

入れ歯やブリッジは、周りの歯に金具を引っ掛けたり、削ったりする必要があるため、健康な歯まで傷つけてしまいます。
しかし、インプラント治療は顎の骨にインプラント体を埋め込み、それを土台にするので周りの健康な歯を傷つける心配がありません。

また、入れ歯やブリッジは物を噛んだ際の衝撃が骨に伝わりづらく、骨が痩せてしまう傾向があります。
一方、インプラントは物を噛んだときの刺激が骨に伝わりやすいため、骨が痩せる心配もありません。

さらに、インプラントは治療完了後もセルフケアと定期検診を続ける必要があるため、インプラントをケアすることにより、ほかの歯の健康も守ることができます。

メリット③審美性に優れている

審美性に優れているという点も、インプラント治療の大きなメリットです。

インプラントは口を開けた際に、入れ歯のように器具が見えてしまうことがありません。
また、人工歯の素材にこだわることで、天然の歯と見分けがつかない状態に近づけることも可能です。

インプラント治療のデメリット

インプラント治療のデメリット

つづいて、インプラント治療を受けることによる3つのデメリットも紹介します。

デメリット①高額な治療費がかかる

1つ目のインプラント治療のデメリットは、高額な治療費かかかるという点です。

基本的には、インプラント治療には健康保険が適用されません。
その理由は、健康保険は「健康に必要な最低限の治療にのみ適用される」という条件があるためです。
失った歯を取り戻す治療方法には、すでに入れ歯やブリッジを使った安価な治療方法があるので、使い心地のよさや審美性を高めるためのインプラント治療は、保険適用外なのです。

インプラント治療の保険適用について詳しくはこちら

デメリット②外科手術を受ける必要がある

外科手術を受ける必要があるという点も、インプラント治療のデメリットの一つといえるでしょう。

インプラント治療は、顎の骨に穴を開けるという外科手術が必要であるため、通常の歯科治療よりも心身ともに負担がかかります。
また、手術中は麻酔を使うため痛みはそこまで感じませんが、治療後に麻酔が切れたときの痛みや、歯肉の腫れをともなう場合もあります。

デメリット③感染症にかかるリスクがある

最後に紹介するインプラント治療のデメリットは、感染症のリスクがあるという点です。

インプラントは天然の歯に比べて細菌に感染しやすいという特徴があります。
なぜなら、インプラントには歯根膜(しこんまく)がないためです。
なお歯根膜とは、天然の歯根と歯肉のあいだにある組織で、細菌の侵入を防ぐ役割があります。

インプラントにはこの歯根膜がないため、「インプラント周囲炎」とよばれる疾患にかかりやすく、悪化するとインプラントが脱落する場合があります。

ただし、日ごろのセルフケアを欠かさず行い、3か月に1回ほどの定期検診を受けていればインプラント周囲炎は防ぐことができるので、過度に心配する必要はないでしょう。

インプラントのメリット・デメリットについては、以下の記事でも詳しく紹介しております。

インプラントのメリット・デメリットについて詳しくはこちら

当院のインプラント治療の特徴

精密な診査・診断をもとに治療計画を立案

初診では問診と口腔内検査に加え、レントゲンやCT検査を行い、骨の高さ・幅や神経の位置関係を確認します。治療計画は検査結果をもとに立案し、内容をきちんとご説明します。
なお、診断に伴う各検査や撮影については追加の費用はいただいておらず、必要な範囲で検査を行います。想定される通院回数や期間の目安、他の治療方法との違いについてもご案内し、ご自宅でご検討いただけます。

状態を確認しながら治療内容を選択して進めます

顎の骨にインプラントを埋入した後、一定期間の治癒を待ってから人工歯を装着します。骨と結合するまでの期間には個人差があるため、経過確認を行いながら次の処置の時期を判断します。処置の前後には口腔内の状態を確認し、必要に応じて清掃や調整を行います。
人工歯装着までの期間は仮歯を使用するため、歯がない状態が続かないよう配慮されています。処置当日の過ごし方や注意点についてもその都度ご説明します。
また、検査結果をもとに治療方法の選択肢をご案内し、それぞれの治療内容・通院回数の目安・処置の流れについてお伝えします。費用については内訳をご確認いただけるようご説明し、ご理解いただいたうえで治療をご検討いただけます。疑問点がある場合にはカウンセリング時や後日のご相談にも対応しています。

装着後の調整と定期的な状態確認を行います

人工歯装着後はかみ合わせの状態を確認し、違和感がないかを伺いながら必要に応じて調整を行います。装着直後だけでなく、使用を続ける中で変化がないかも来院時に確認しています。
定期的な検診では、インプラント周囲の清掃状態や歯ぐきの様子を確認し、付着物の除去や清掃方法の再確認を行います。ご自宅でのケア方法についてもお伝えし、日常管理の参考にしていただけます。
なお、定期健診では費用負担なく受診いただける制度を設けており、詳細は治療時にご説明します。

インプラントの費用・内訳・支払い方法

ここからは、インプラント治療にかかる費用の相場や、費用が決定する仕組み、また治療費を削減する方法などを紹介します。

インプラントの費用相場

歯1本あたりのインプラント治療費の相場は、さまざまな条件によって値段が変動するため一概にはいえませんが、診察料やインプラント代などを含めて30万~40万円ほどです。

ただし、すべての歯を治療する場合は、4本のインプラントで10~20本の歯を支える「All-on-4(オールオンフォー)」とよばれる治療方法があるため、1本あたりでは計算しません。
All-on-4は上顎か下顎のどちらか一方で、およそ200万~250万円ほどが相場です。

また、人工歯の素材別の費用の相場は、下記のとおりです。

【人工歯の素材別の費用相場】

素材 費用
ジルコニア 10万~20万円ほど
オールセラミック 7万~15万円ほど
ハイブリッドセラミック 5万~10万円ほど
メタルボンド 7万~15万円ほど
ゴールド 7万~12万円ほど
オーバーデンチャー 16万~25万円ほど

費用が決定する仕組み

インプラント治療にかかる費用は、下記の内訳から算出されます。
ただし、治療費の内訳に含まれる項目はクリニックによって異なるため、下記はあくまでも一般的な例です。

【インプラント治療にかかる費用の内訳】

  • 精密検査・診断料
  • インプラント代(インプラント体・アバットメント・人工歯)
  • 手術代(材料・器具・設備・麻酔代など含む)
  • 手術後の消毒・抜糸・健診代

これらの項目に加えて、下記のようなインプラント治療に付随する各種治療を受けると、さらに費用が加算されます。

【インプラント治療に付随する各種治療費の内訳】

  • 治療期間中の仮歯代
  • 抜歯代
  • 骨造成手術代

また、治療後の定期健診は基本的には無料で受けることができますが、別途費用がかかるクリニックもあります。

きぬた歯科のインプラント治療費用についてはこちら

医療費控除は使えるのか

結論から申し上げますと、インプラント治療は医療費控除の対象です。

医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までのあいだに、同一世帯で支払った医療費の合計金額が一定額を超えた場合に、所得控除を受けられるという制度です。
一般的には10万円を超えた場合はこの制度の対象となるため、その年にインプラント治療を受けた方は医療費控除を受けることができます。

医療費控除額の計算式は「1年間に支払った医療費の総額-生命保険会社から受けた保険金の受給額―10万円または総所得金額の5%=医療費控除額(最高200万円)」です。

なお、医療費控除を受けるためには、翌年に確定申告を行う必要があります。

医療費控除について詳しくはこちら

デンタルローンは組めるのか

デンタルローンを取り扱っているクリニックであれば、インプラント治療でローンを組むことが可能です。
デンタルローンとは、ローン会社が治療費を立て替えて支払ってくれる仕組みで、治療を受けた方は毎月分割払いで治療費を返済します。
金利はおよそ5~8%で、支払い回数は最大84回から選ぶことが可能です。

ただし、デンタルローンは原則20歳以上の安定した収入がある方が対象です。
また、申し込み時に審査が必要であるため、利用を検討している場合は必要条件を満たせるかどうかをあらかじめ確認しましょう。

デンタルローンについて詳しくはこちら

インプラントの費用に関する記事まとめ

インプラント治療の期間

インプラントの治療期間は最短で6か月、最長で1年はかかります。

具体的には、各工程でかかる日数は以下のとおりです。

【インプラント治療にかかる日数】

  • 精密検査~治療方針の決定:2日~2週間ほど
  • 手術:1日
  • 骨とインプラント体の定着:3~7か月ほど
  • 人工歯のセット:1日

なお、上記は1ピースタイプのインプラントを使用した場合の治療期間であり、2ピースタイプを使用する場合は手術を2回行う分、治療期間も延びます。

また、もし精密検査の段階で歯周病や虫歯が見つかった場合は、インプラント治療の前にそちらを先に治療します。
顎の骨の厚みが足りない方は、先に顎の骨の厚みを増やすための骨造成手術を受ける必要があるため、さらに治療期間が延びるということを覚えておきましょう。

インプラント治療の期間について詳しくはこちら

インプラント治療の流れ

ここからは、インプラント治療における手術の流れを紹介します。
インプラント治療を受けてみたいものの、外科手術の工程を不安に思っていらっしゃる方は、参考にしてみてください。

手術前の流れ

インプラント治療は外科手術をともなうため、必ず術前検査を行い、治療計画を立てます。
下記では、それぞれの工程を一つひとつ紹介します。

  1. カウンセリング
  2. CT検査
  3. 血液検査、心電図検査
  4. 虫歯や歯周病の検査
  5. 治療計画の立案

カウンセリング

まずは医師のカウンセリングを受けて、現在の歯の状態を確認してもらいます。
このときに、普段の生活で困っていることや、治療に対する不安なども伝えておくと、より自分に合った治療方法を提案してもらうことができるでしょう。

カウンセリング内容について詳しくはこちら

CT検査

カウンセリングを終えたら、歯科用CTを使って顎の骨や歯の状態、血管や神経の位置などを確認し、問題なくインプラント治療を受けることができるかどうかを確認します。
通常のレントゲンでは細部まで見ることができないため、必ず歯科用CTを使った精密検査を受けることをおすすめします。

CT検査について詳しくはこちら

血液検査、心電図検査

精密検査を行い、問題がないことを確認したら、血液検査や心電図検査を受けます。
なぜなら、インプラント治療の手術では麻酔を注入して、歯肉を切開する必要があるためです。

もし血液が止まりにくい状態であったり、基礎疾患があったりすると、手術中にトラブルが起こる危険性があります。
そのため、基本的な健康診断も受ける必要があるのです。

虫歯や歯周病の検査

インプラント治療を受ける前に、お口の状態もチェックします。

虫歯や歯周病が見つかった場合は、手術の前に治療する必要があります。
なぜなら、インプラント治療の手術では歯肉を切開し、インプラント体を埋め込む必要があるため、口内の衛生状態を整える必要があるのです。

インプラントと虫歯について詳しくはこちら

治療計画の立案

すべての検査を終えたら、インプラント治療の計画を立てます。
歯や顎の骨の状態は個人差があるため、検査結果をもとに、自分にもっとも合った治療方法を考えてもらいます。
また、日程や費用などもこの段階で話し合うので、ご自身の予定や予算をあらかじめ確認しておきましょう。

なお、この段階でそのクリニックの治療方法に納得できない場合は、治療を断ってほかのクリニックにかかることも可能です。
その際は、医師にセカンドオピニオンを受けたいという旨を伝えてみましょう。

手術当日の流れ

続いて、インプラント治療の手術中の流れを紹介します。
手術の種類は、一般的な2回法の場合です。

  1. 麻酔を注入する
  2. 歯肉を切開する
  3. ドリルで顎の骨に穴を開ける
  4. インプラント体を埋める
  5. 切開した歯肉を縫合する
  6. 歯肉を切開してアバットメントを取りつける
  7. 型を取って人工歯を製作・装着する

麻酔を注入する

手術を行う前に、歯ぐきに部分麻酔を注入し、手術中に痛みを感じないように患部を麻痺させます。
また、意識のある状態で手術を行うことに不安のある方は、静脈内鎮静法とよばれる方法により、半分眠ったような状態で治療を受けることが可能です。
静脈内鎮静法は、点滴で腕から注入する方法と、笑気ガスを口から吸入する方法が一般的です。

なお、インプラント治療において全身麻酔を使用することはほとんどありません。
なぜなら、手術時間が短いことと、全身麻酔は体への負担が大きいためです。

インプラント治療の麻酔について詳しくはこちら

歯肉を切開する

麻酔を注入したら、まずはインプラントを埋め込みたい箇所の歯肉を切開します。
歯1本あたり、およそ1.5センチ程度の深さまでメスを入れます。

ドリルで顎の骨に穴を開ける

歯肉を切開したら、そこから顎の骨にドリルを用いて穴を開けます。
ドリルと聞くと怖いイメージを持たれるかと思いますが、医療用の安全なドリルを使用するため心配する必要はありません。

インプラント体を埋める

顎の骨に穴を開けたら、そこにインプラント体を埋め込みます。
このインプラント体が自分の骨と結合すると、強い土台となって、人工歯をしっかりと支えてくれます。

切開した歯肉を縫合する

インプラント体を埋め込んだら、先ほど切開した歯肉を縫合します。
縫合することにより、歯肉が細菌に感染にしにくくなるほか、インプラント体と骨が結合しやすくなります。

縫合してから1~2週間後に抜糸を行い、その後はインプラント体と骨が結合するまで待ちましょう。
なお待機期間の目安は、下顎がおよそ3~6か月、上顎がおよそ6か月です。

歯肉を切開してアバットメントを取りつける

インプラント体と骨が結合した頃にふたたび歯肉を切開し、埋め込んだインプラント体を露出させ、そこにアバットメントを取りつけます。
アバットメントを取りつけたら、歯肉の傷が治るまで1週間ほど待ちます。

型を取って人工歯を製作・装着する

アバットメントが定着したら、人工歯を作製するために歯の型を取り、出来上がりまで2週間ほど待ちます。

その後、人工歯をアバットメントに装着し、噛み合わせに問題がないかを確認したら、インプラント治療は完了します。

インプラント治療の流れについて詳しくはこちら

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インプラント治療後の注意点

ここからは、インプラント治療を受けた直後の数時間から、2週間ほどは注意したい点を紹介します。

注意点①麻酔が効いているあいだは食事を控える

インプラント治療の直後は、まだ部分麻酔が効いており、口内が麻痺している状態です。
そのため、誤って口内を強く噛まないように注意しましょう。
食事は、麻酔が切れるまでの数時間はとらないことをおすすめします。

また、麻酔が効いているあいだは熱さも感じにくい状態になっているため、火傷しないように十分に注意する必要があります。

注意点②飲酒・喫煙を控える

インプラント治療後1~2週間は、飲酒と喫煙を控えましょう。

なぜなら、アルコールは血流を促進する作用があるので、歯肉の出血や痛みの原因になる場合があるためです。
また、タバコに含まれるニコチンという成分は、血管を収縮させてしまいます。
その結果、骨に十分な酸素と栄養が行き渡らず、骨が痩せてしまい、インプラントが定着しづらい状態になる可能性もあるのです。

また、喫煙はインプラント歯周炎の原因にもなるため、日常的に喫煙されている方はこの機会に禁煙を考えてみましょう。

注意点③激しい運動や入浴を控える

インプラント治療後の1週間は、激しい運動や、熱いお風呂に入ることも避けましょう。
どちらも血流を促進してしまい、歯肉の出血や痛みに繋がる場合があります。
運動は、たとえウォーキングのように軽い運動であったとしても、なるべく控えて安静に過ごすことをおすすめします。

なお、お風呂は適温のシャワーで済ませる程度であれば問題ありません。

注意点④食事の際は柔らかいものを食べる

手術から1週間程度は、なるべく柔らかいものを食べましょう。
なぜなら、まだ傷口が治りきっていない状態で固いものを食べると、歯肉が傷つき、ふたたび傷口が開いてしまう可能性があるためです。

具体的には、おかゆやスープ、豆腐、うどんなどがおすすめです。
また食べる際は、少量ずつを口に入れて、手術を受けたほうとは反対の歯でゆっくりと噛みましょう。

インプラント治療後の食事について詳しくはこちら

注意点⑤歯磨きの際は毛先の柔らかい歯ブラシを使う

インプラント治療から1週間程度は、傷口に直接歯ブラシを当てないように注意が必要です。
刺激を加えると、傷口が開いて出血してしまう可能性があります。

ただし、ほかの歯はしっかりと歯ブラシで磨く必要があるため、なるべく柔らかい歯ブラシを使い、患部に当たらないように優しく磨きましょう。
フロスを使用する際も、手術後1週間程度は患部に当たらないように注意が必要です。

インプラント治療後の歯磨きの注意点はこちら

インプラントの寿命や長持ちさせる方法

ここからは、インプラントの寿命と、なるべく寿命を延ばすための方法を紹介します。
インプラント治療をするからには、なるべく長く使用したいとお考えの方は、参考にしてみてください。

インプラントの寿命

インプラントの寿命は、インプラント体が脱落するまでの年数を指し、一般的には10~15年ほどといわれています。

日本口腔インプラント学会が、インプラント装着後20 年以上経過した患者 1,168 人を対象としてアンケート調査を行い、回答が得られた 509人のうち78%が「特に問題なく食生活ができている」と答えています。

参照:日本口腔インプラント学会「20 年以上経過したインプラント患者のアンケート調査」

ただし、日ごろのセルフケアや定期健診を行わなければ、寿命に届く前に脱落してしまう場合もあります。

なお、インプラントの最上部の人工歯の欠損や、アバットメントのネジが外れただけであれば、新たに作り直すか、修理を行えばふたたび使用可能です。

インプラントの寿命について詳しくはこちら

インプラントの寿命を延ばすための方法

インプラントの寿命を延ばすためには、日ごろのセルフケアと定期健診が大切です。
口内を清潔に保つことにより、インプラント周囲炎によるインプラント体の脱落を防ぐことができます。

また、長く喫煙している方の場合は、インプラント体と骨の結合が悪くなり、すぐにインプラント体が脱落してしまう可能性があります。
なるべくインプラントの寿命を延ばしたいとお考えの喫煙者の方は、この機会に禁煙を考えてみましょう。

さらにもう一点補足すると、歯ぎしりもインプラントに悪影響である場合があります。
なぜなら、歯を食いしばることで骨とインプラント体に直接負担がかかるためです。
歯ぎしりする癖がある方は、睡眠中に使用するマウスピースを作ったり、ボトックス注射で筋肉をゆるめたりするといった対策方法をおすすめします。

インプラントの寿命を延ばしたい方はこちら



きぬた歯科のインプラント治療の症例

Case 12~5歯が
欠損していた症例

前歯5本をインプラント2本と人工歯で修復


55歳 男性/前歯5本欠損 
費用:86万円(43万円×2)

Before
After
施術名
インプラント埋込手術
施術の説明
口腔内の骨に人工の歯根を作り、その上に新しい歯を作るという方法です。
施術の副作用
(リスク)
炎症反応により腫れが生じることがあります。腫れの大きさは、手術範囲や方法により異なりますが、次第に腫れが引いてくることがほとんどです。
来院の背景
歯槽膿漏で前歯三本のみになり、やむなく部分入れ歯にされたそうです。

しかし、元々部分入れ歯に違和感があったものを我慢して使い続けていたら、残っていた三本の歯もグラグラになってしまったということです。「このままではどうなるだろう、心配だ」とご友人に相談したところ、「それならインプラントではどうか……」と、当院を勧められたそうです。

治療の結果
ご本人の希望で、前歯に二本のインプラントを入れ、五本分の人工歯を入れました。

本来このような設計は、インプラントに負担がかかりすぎるため行わないのですが、「とりあえず一年でも使えれば」というご意向を汲み、治療いたしました。

Case 2一歯だけ
欠損していた症例

他院で不具合があったインプラントの修復

47歳 女性/右上欠損 
費用:43万円

Before
After
施術名
インプラント埋込手術
施術の説明
口腔内の骨に人工の歯根を作り、その上に新しい歯を作るという方法です。
施術の副作用
(リスク)
炎症反応により腫れが生じることがあります。腫れの大きさは、手術範囲や方法により異なりますが、次第に腫れが引いてくることがほとんどです。
来院の背景
一年程前に右上の奥歯を他院でインプラントにされたということです。しかし、思っていたような成果は得られず、治療後はずっと不具合があったそうです。

その事をインプラント治療をされた先生に相談すると、どうもインプラントの方向が悪く、最初の噛み合わせでは問題なかったものの、だんだんずれてしまったということでした。その先生は再度治療したいと申し出られたそうですが、不安があったので、友人に相談した結果、私の診療所に来られたということでした。

治療の結果
インプラントは最良の治療法とはいえ、埋め込む方向が悪ければ他の歯に損傷を起こしかねないため、すぐに撤去することに同意していただきました。

その後、歯槽骨が安定するのをみて、もう一度正しい方向にインプラントを埋入しました。
患者さんは今回も多少不安だったようなので、何度も噛み合わせの状態を確認しながら治療を進めました。幸い、審美的にも満足できる治療を行う事ができ、「インプラントとはとても思えない」と喜んでいらっしゃいました。

Case 3多くの歯が
欠損していた症例

上全部をインプラントにしきれいな口元に

50歳 女性/上13本欠損 
費用:192万円

Before
After
施術名
インプラント埋込手術
施術の説明
口腔内の骨に人工の歯根を作り、その上に新しい歯を作るという方法です。
施術の副作用
(リスク)
炎症反応により腫れが生じることがあります。腫れの大きさは、手術範囲や方法により異なりますが、次第に腫れが引いてくることがほとんどです。
来院の背景
初診の時に上の歯はまだ三本残っていましたが、部分入れ歯のままで長年放置してきたため、他の歯もほとんど歯肉が減ってしまいグラグラな状態でした。

ご本人もそのことをよく自覚されていました。
そこでこの際、残っている上の歯も抜き、上部全体をインプラントにして欲しいとのご要望でした。

治療の結果
残っている歯を抜いた後、治療をCT画像も含めて詳細に説明し、十分納得していただけましたので、治療にとりかかりました。

途中、患者様が「インプラントにしたら、もっときれいな歯になりますか?」と気にしておられました。
合計で六本のインプラントを入れ、上部全てをプラスチックにし、きれいな仕上がりとなりました。噛み合わせにも問題がなかったので、治療前の不安も杞憂だったことがよくおわかりになったようでした。


この記事の監修者

日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業後、インプラント治療に従事。年間4000本以上、累計50,293本のインプラント治療の実績がある。

日本でインプラント治療が黎明期だったころからパイオニアとして活躍し、インプラントメーカーのストローマン社やノーベルバイオケア社から公認インストラクターの資格を得た。

本の執筆やTV・雑誌などのメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで情報発信を積極的に行っている。

<主な著書>
インプラント治療は史上最強のストローマンにしなさい!!
歯医者が受けたい!インプラント治療
あっそのインプラント、危険です!!

<YouTubeチャンネル>
八王子きぬた歯科

<外部サイト>
きぬた 泰和 Wikipedia

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